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ISS講師が語る「私を支える○△□」 第16回 柴原早苗先生の「私のデビュー戦」


昨年からスタートした、連載「ISS講師が語る『私を支える○△□』」

プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、自らの“通訳者・翻訳者人生”(少し大げさですが…)を振り返りながら、現在の自分を支えている「言葉」や「モノ」、「出来事」について語っていただいています。

○「言葉」=座右の銘、
△「モノ」=こだわりの逸品、
□「出来事」=私のデビュー戦(初仕事)

ISS講師がこの3つからテーマを選んで語る本シリーズ。

第16回目は、英語通訳者養成コース講師、柴原早苗先生の「私のデビュー戦」です。

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通訳学校で順当に進級していった私は、同時通訳科で初めて大きな壁にぶつかりました。褒められると伸びるタイプを自認する私にとって、体育会系のそのクラスは毎回緊張の連続だったのです。怖さのあまり力を発揮できない状態が続きました。けれどもこれは単なる言い訳です。厳しかろうと優しかろうと、商品価値のある通訳を行うことは、プロとして不可欠なのは内心わかっていました。

けれども一刻も早く通訳者になりたいという思いは私の中で強烈にありました。当時はまだインターネットなどない時代です。来る日も来る日もジャパンタイムズと朝日新聞の求人欄を眺め、「通訳」「英語」「人材派遣」と名の付く会社に片端から履歴書を送りました。その数はおそらく100社ぐらいだったと思います。東京だけでなく地方の会社、海外の企業にも送りました。

書類選考を運よく突破しても、トライアル試験で不合格ということもありました。合格しても面接での感触が良くなかったこともあります。せっかく登録に至ったもののスケジュールが合わず、初回の業務依頼を断ってしまい、以来音沙汰なしというケースもありました。

さすがに最初に不合格通知が届いた時は落ち込みました。あれだけ勉強をしてきて、これほど熱意はあるのになぜ不採用なのか。自分の力不足や縁のなさを嘆いたこともあります。けれども2社、3社と採用見送りが続くにつれて、「あ、ここもダメだったのね。では次の応募先を探そう!」と慣れていきました。ご縁がないなら別を探す。それをひたすら続けたのです。

そのような過程を経て仕事も少しずつ舞い込むようになりました。そのころからずっと心がけていることがあります。それは目の前の仕事を丁寧に集中して行うという点です。今でも失敗することはもちろんあります。けれども大切なのはなぜそうなったのか、再発防止をどうすべきかを考えることなのです。

自分のミスを直視することは痛みを伴います。その苦しさに向き合うことで初めて、デビュー戦を突破し、通訳者として仕事の幅を広げていけると私は信じています。


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柴原 早苗(しばはら さなえ)
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

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| 私を支える○△□ | 12:00 |

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