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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 75回 昆虫関連の表現
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 





私にとって一番効率的な情報源はラジオです。身支度をしながら、あるいは家事をこなしながらでも音さえあれば耳を傾けることができるからです。日ごろ放送通訳をしていますので、家でもテレビを見ていると思われがちですが、自宅ではほとんど視聴しません。代わりに重宝しているのがラジオです。

先日のこと。早朝勤務の出発前にNHKのラジオ第一放送を聞いていたところ、昆虫に関する話題が出てきました。最近は「食用としての昆虫」が注目されているのだそうです。躊躇する方もいらっしゃるかもしれませんが、世界を見渡せば昆虫を栄養源として食するところがありますよね。

今月は「昆虫関連のフレーズ」に注目してみましょう。

1.mothball 棚上げにする

His new project was mothballed due to lack of budget. (彼の新規プロジェクトは予算不足のため棚上げされました。)

mothball は「防虫剤、ナフタリン」のことですが、動詞では「軍需品を長期保存状態にする」「棚上げする」といった意味があります。moth 自体は「蛾」のことで、オックスフォードの英英辞典で mothball の語義を読むと “a small white ball made of a chemical with a strong smell, used for keeping moths away from clothes” と書かれています。「白い玉状のもの」と具体的にわかりやすく説明されているのがありがたいですよね。

素早く意味を知るのは英和辞典が便利ですが、ことばの説明をじっくり味わうには英英辞典が最適です。moth をロングマン英英辞典で引くと、“Some moths eat holes in cloth” との説明も付いています。


2.have butterflies in one’s stomach 緊張している

Since this was her first time to give a presentation, she had butterflies in her stomach. (プレゼンをするのは初めてだったため、彼女は緊張していました。)

have butterflies in one’s stomach は「緊張している」という意味です。日本語では「蝶」というと優雅なイメージがありますが、英語ではそうとも限りません。ジーニアス英和辞典(大修館書店)を引くと、「落ち着きのなさを表す」と出ています。同じ単語でも文化によって意味合いが異なるのがわかります。

ところで butterflybutterfly が結合した単語で、かつては「蝶がバターを盗むと信じられていた」との説があります。バターは昔、西洋ではぜいたく品で、客をバターとハチミツでもてなしていたのだそうです。

ちなみに「バターひとかけ」は、a pat of butter(バターが平らになっている状態)、または a knob of butter(バターが丸型になっているもの)です。一方、「人におべっかを使う」は butter someone up、「金持ちの投資家」は butter-and-egg man です。


3.a beehive of activity 活気のある場所

The new market attracted many tourists and became a beehive of activity.(新しい市場は多くの観光客を魅了し、活気のある場所となりました。)

a beehive of activity は人が多く活気あふれる場所という意味です。beehive は「養蜂用のミツバチの巣(箱)」で、hive と同じ意味です。なお、hives と複数形になると「じんましん」という意味にもなります。

beehive を辞書で調べてみると、1960年代にはやった女性の髪形であることもわかりました。ドーム状に高く結ったヘアスタイルです。ちなみにニュージーランド政府のニックネームも beehive なのだとか。内閣府の入っている建物がドーム型だからだそうです。アメリカ・ユタ州のニックネームは the Beehive State です。


4.worm oneself into someone’s confidence うまく取り入って(人)の信頼を得る

In order to get a promotion, he wormed himself into the president’s confidence. (昇進するため、彼はうまく取り入って社長の信頼を得ました。)

worm は「ミミズ」ですが、かつては「ヘビ」という意味もあったそうです。現在は「みじめな人」という婉曲の意味も持ちます。例文は「巧妙に取り入って人の信頼を得る」という状況を表しています。

worm を使った他の表現としては、the worm of conscience (良心の呵責)、Even a worm will turn(虫けらでも反撃してくる、一寸の虫にも五分の魂)、a can of worms(複雑で解決困難な問題)、open up a can of worms(厄介な問題を作り出す)などがあります。


今回は昆虫関連のフレーズでした。簡単な単語もこうして応用されるといろいろな意味を持つのが英語の興味深いところですよね。


柴原 早苗
放送通訳者、立教大学・獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。ロンドンのBBCワールド勤務を経て現在はCNNj、CBSイブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。
 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 21:00 |

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