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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 74回 スイーツ関連の表現
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 





最近は駅構内にいろいろなお店が出ていますね。わざわざ改札口の外に出なくても買い物ができるのは実に便利です。私が利用するエキナカでいつも行列があるのは、やはりスイーツ関連のお店です。自分へのご褒美に、あるいは訪問先へのお土産にと買う目的は様々なのでしょう。色とりどりの美しいスイーツを見るだけでも心が和みます。

今月は「スイーツ関連のフレーズ」をご紹介していきましょう。

1.chocolate-box (現実ではないぐらい)かわいらしい、美しい

There were many chocolate-box villages on our way to the next destination. (次の目的地までにかわいらしい村がたくさんありました。)

chocolate box は名詞として使う場合は文字通り「チョコレートの箱」です。一方、今回ご紹介するフレーズは間にハイフンがあり、後ろに名詞が続きます。よってこの場合は形容詞としての活用になります。意味は「現実ではないぐらいかわいい、美しい」という意味のほかに「感傷的な、少女趣味的な」というものもあります。

この表現はイギリスで用いられることが多いようです。確かにイギリスのコッツウォルズ地方を見てみると、はちみつ色の美しい建物が並ぶ村がありますよね。この英語の語源を調べたところ、最初に使われたのは20世紀初頭だったそうです。当時のチョコレート箱のデザインが美しかったのでそうした意味を持つようになったと考えられます。


2.sweet deal うまい話

You had better be careful with calls from strangers.  There is no sweet deal in this world.  (見知らぬ人からの連絡には注意した方が良いですよ。この世にうまい話などないのですから。)

「うまい話」を英語では sweet deal と言います。直訳すれば「甘い取引」です。日本語の「うまい話」は漢字で書けば「旨い」「美味い」となりますので、どちらも味覚に関連しているのがわかります。

ところで私は幼少期にイギリスで暮らしていたのですが、友人の家に行った際、親子の会話の中で honeysweetheart が出てきて最初のうちは驚いたのを覚えています。「え?ハチミツ?」「甘い心臓?」と子どもなりに直訳してしまったのですね。いずれも子どもへの呼びかけ言葉です。


3.candyfloss 見かけ倒し

That music is not to my taste.  It seems like a candyfloss to me.(あの音楽は私の趣味ではないわね。見かけ倒しのように見えるわ。)

candyfloss は「綿菓子、綿あめ」のことで、イギリス英語です。アメリカでは cotton candy、オーストラリアでは fairy floss と言います。どの表現もあの綿菓子の様子をうまくことばにしていますよね。

上記例文でご紹介しているのは「見かけ倒し」という用法です。三流品というニュアンスがあります。確かに綿菓子の材料は少量の砂糖ですが、機械に入れればあっという間に膨張します。そうしたところからこの語義が誕生したようです。

アメリカの綿菓子機専門メーカーのサイトによると、綿菓子の歴史は19世紀終わりにまでさかのぼるとあります。発明したのは4人の男性で、1899年には綿菓子機の特許申請に成功したそうです。英語表現をきっかけに、こうして雑学を知るのも学習のだいご味です。


4.apple-pie 完全に整った

Don’t leave your books on the floor.  Put the room in apple-pie order! (本を床に置かないで。部屋をきちんと片づけなさい!)

apple pie は文字通り「アップルパイ」というお菓子のことですが、「完全にととのった、きちんとした」という形容詞としての用法もあります。形容詞の場合、例文1同様、間にハイフンが入って apple-pie となります。どのような語源によるのかは定かでありませんが、19世紀終わりあたりにはすでに書物などで用いられていたそうです。

ところで日本語ではアップルパイの「生地」と言いますが、英語では pastry です。日本語の「生地」は布にも食べ物にも使えるのが興味深いですよね。ところでpastryに似た単語でpastyがあります。これはイギリス料理の一種「ペイスティ」で、味付けした肉や魚などを包んだパイのことです。

今回はスイーツ関連の表現をご紹介しました。頑張って勉強をしたので、ここで一服、甘いものを味わいつつ、引き続き楽しく英語学習をなさってくださいね。


柴原 早苗
放送通訳者、立教大学・獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 10:00 |

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