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特別セミナーレポート「コミュニティ通訳の現状と展望 2015」


グローバル化が進む中で、外国人観光客、在留外国人が増加する傾向にあります。

日本で生活する外国人や、オリンピックに向けて増え続ける訪日外国人の方々のコミュニケーションの壁を取り除くサポートをする際に活躍する「コミュニティ通訳」。

アイ・エス・エス・インスティテュートでは、オリンピックに向けて、今後さらに需要の高まる「コミュニティ通訳」をより多くの方に知っていただくために、多言語コールセンターを運営するランゲージワン株式会社(※)の営業部マネージャー、高橋恵介氏を講師に迎え「コミュニティ通訳の現状と展望」と題して特別セミナーを開催しました。



「在日外国人サポートの仕事をするようになってから約25年間になります」という高橋氏の自己紹介、様々なエピソードをご紹介いただいた後、コミュニティ通訳の重要性について以下の通りお話がありました。

※ランゲージワン株式会社は、アイ・エス・エス・インスティテュートのグループ会社である株式会社翻訳センターの関連企業です。

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コミュニティ通訳の重要性
「外国人と日本人の仲介をするコミュニティ通訳は、今後ニーズが高まります」

コミュニティ通訳≒ボランティア通訳

交通費が出て楽しい経験もできる、自分の能力を使って、人にありがとうと言われます。ただし、コミュニティ通訳は、ほとんどがボランティア通訳であったりします。

もちろん、法律であったり、その分野の通訳はコミュニティ通訳の範囲に入り、日当であったり、時間給などの報酬を得られる場合がありますが、「通訳者」として十分な報酬が得られるか、支払われるか、というと、そうではないものばかり、という印象があるのではないでしょうか。
 
今度、ISSの短期コースで実施する「電話通訳オペレーター実践講座」はちょっと違います。


PROコミュニティ通訳≠ボランティア通訳

PROコミュニティ通訳は、ボランティアではありません。

現在ISSに通われている皆さん、これから受講を検討される皆さんは、自分のスキルを上げて、次のキャリアアップにつなげたい、と考えておられる方がほとんどだと思います。

本日このセミナーに参加されている皆さんも、恐らく「ボランティア通訳」になりたいのではなく、「PROコミュニティ通訳」という希望、期待があるからだと思います。


PROコミュニティ通訳=PROFITABLE通訳

PROコミュニティ通訳というのはPROFITABLE通訳のことです。要するにしっかりと利益が得られる、お金がもらえる通訳です。

現在ランゲージワンが提供している電話通訳オペレーターの仕事分野は、今回実施するサマーコースのカリキュラムに網羅されています。

観光、通信関係、銀行・金融、消防・医療、法律相談の各分野を扱いますが、難易度は前者から後者に行くに従って上がっていきます。

電話通訳のお仕事では、法律相談が一番難易度が高いものです。法律相談で掛けてくる方は、相当困っている状態で、お金や人権、自分の立場も絡んできます。真剣な内容であり、それだけに正確にメモを取り、しっかりと通訳をしなければならない。レベル的には非常に高いと言えると思います。

消防・医療の分野では、119番通報の通訳もしております。119番は原則日本語しか受付をしていないのですが、ある消防では英語、スペイン語、中国語、韓国語で一時受けした後、多言語コールセンターに繋いでからそれぞれの言語での3者間通話(*)をしています。

(*)3者で同時に話を聞くことができ、話すことができる回線

内容的には、すでにボランティア通訳の範疇ではありません。電話通訳オペレーターが日々提供しているサービスは、確かにコミュニティ通訳の範囲ではありますが、PROFITABLEであるということです。しっかりと給料をもらって、高度なレベルでの電話通訳のお仕事に対応します。


今後確実に増える通訳のシーン

来日する外国人観光客はすでに1,300万人を超えており、2020年より前に2,000万人達成という予測をしている人もいます。それに伴い、通訳を必要とするシーンも増えます。

現在でもショッピングモール、大型家電店などでの電話通訳から、観光地に着いたばかりだけれども、どこかお薦めのスポットはありますか、といった問い合わせへの対応や、先ほどご紹介した法律相談、労災関係の通訳など様々な分野への対応を行っています。このようなサービスを24時間365日体制で提供しています。ニーズの高まりに伴い、全国の各自治体、公の団体、企業から問い合わせがあります。


平成の開国の始まり
 
観光目的以外で日本に居住する外国人が確実に増えてきています。

外国人住民基本台帳制度というものがあります。日本に90日以上在留する外国人は必ず住民台帳に登録され、住民票が出ます。現行の外国人登録制度が廃止され、在留カードに切り替えられています。日本の歴史上いまだかつてなかった重大な変更です。

ランゲージワンのコールセンターは、総務省の外国人住民基本台帳室が主管しているコールセンターの一つです。日本には約1,700の自治体がありますが、そちらからいただく問い合わせにも、対応しております。



これからマイナンバー制度が施行されますが、これは税金を適正に徴収するための制度です。給料やお金がどこから来ているのかをマイナンバーによって厳格に把握し、税金を徴収します。日本人に適用されることはもとより、同時に外国人も住民税、所得税を納めるという制度になっています。外国人住民基本台帳制度のコールセンターは6言語対応となっており、日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語で、日本に住んでいる全人口の98%の言語をカバーします。

国の制度として始まったコールセンターで、多言語対応をする初めての事例です。これに伴い、民間企業も外国語対応というものが始まってくる傾向があります。日本語ができない外国人が増えるにつれて、多言語コールセンターの仕事が増えるということです。


事実上の移民政策

現行の外国人技能実習制度が10月にバージョンアップされます。外国人技能実習機構という新しい機構が、厚生労働省の外郭団体としてスタートします。

現行の制度はこれまで賃金未払いなどの色々な不正や、実習生に対する不当な取り扱いがありましたが、それに対する取り締まりが強化され、また、技能実習生の職種の追加も行われます。

また、介護ビザが新設されます。背景には2025年問題というのがありまして、団塊の世代が75歳を超える年です。多くの要介護者が発生し、介護スタッフが100万人不足すると言われています。このうち25万人は外国人を見込んでいます。現場では様々な問題が出ることが予想され、相談窓口やホットラインの拡充が必要とされます。このような場面でも相当仕事が多くなってくると思われます。

この先外国人が減ることはありません、確実に増えます。が、逆に日本人は確実に減るでしょう。

「受け入れ」から「招聘」へ切り替えなければならないタイミングが来ているのです。

その時に必要なのは人を人として扱う、という姿勢です。人を人として扱うという姿勢は簡単なことです。話を聞いてあげる、ということです。「傾聴」することが必要です。傾聴するときに外国人の方が言葉が分からなければ、通訳を立てるしかありません。

電話通訳を通じ、彼らが何を感じ何に困っているのか、何をしたいのかを「傾聴」した上で対案を企業、行政が考え様々なサービスを提供していくことが必要です。

日本が日本人にとって暮らしやすいのと同じように、外国人にとっても暮らしやすくできるようなサービスを提供するのが、この多言語コールセンターの役割です

みなさんの活躍の場になるようにと期待しています。医療分野での電話通訳はまだまだ普及していませんが、何かあった時に的確な医療通訳を提供する、といったシーンがこれからどんどん増えてきます。ですので、皆さん今のうちに是非勉強しておいてください。そして勉強が終わったら、是非コールセンターに応募してください。

ご清聴ありがとうございました。

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ランゲージワン株式会社、高橋恵介氏の講演につづいて、参加者のみなさまからのご質問にお答えする時間を設けさせていただきました。

 Q&Aコーナーの様子はこちら

 

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