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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 73回 機械関連用語を使ったフレーズ
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 





私は日頃CNNjなどの放送通訳に携わっていますが、ニュースというのは最初のうち難しく思えた分野でも日々追いかけることにより、まるでドラマの展開のように思えてきます。ちなみに先日アメリカ・ニューヨーク州で起きた脱獄事件は映画さながらでした。刑務所職員が受刑者に情を抱いたため、脱走用の工具を渡していたというのです。ニュース本文では重機や小型工具の名前がいろいろと出てきました。

今月は「機械関連用語を使ったフレーズ」のご紹介です。

1. at full throttle 全力で、パワー全開で

Because of the upcoming exam, he was working at full throttle. (試験が間もなくあるので、彼は全力で勉強していました。)

at full throttle は「全力で、パワー全開で」というフレーズです。もともと throttlethroat(のど)が語源だとされています。throttle そのものにも「のど」という意味がありますが、使われることはまれであると辞書には出ています。

throttle は「スロットル、絞り弁」という機械用語ですが、動詞としても使われます。意味は「圧迫する」です。たとえば The city was throttled by traffic. として、交通渋滞が激しい様子を表すこともできます。なお、辞書には句動詞として throttle back(減速する)も出ています。では back 以外の前置詞はあるのでしょうか?

ぜひ英語学習の際にはこのように「他との組み合わせ」にも関心を払ってみましょう。ちなみに throttle up は「加速する」という意味です。


2. step up a gear 一段と努力する

The team was not performing well in the first half.  Nevertheless, they stepped up a gear in the second half and scored a point. (チームは試合前半で振るいませんでした。しかし、後半に一段と努力して得点を決めました。)

step up a gearmove up a gear と言い換えることもできる口語表現です。意味は「一段と努力する」です。gear は日本語でも「ギア」と訳されていますが、このように熟語になることで本来の語義から変化するのも英語の特徴です。なお、英語の gearge の上が強く読まれますが、日本語の「ギア」は「ア」を強く読みます。日本語の正しいアクセントも最近の電子辞書で調べることができますので、便利ですよね。

gear を使った他の表現としては in top gear(絶好調で)があります。まさに top gear(トップギア)そのものから生まれた言い回しです。イギリスには Top Gear という車情報の長寿番組もあります。

ところで「オープンカー」は和製英語なのをご存知でしょうか?英語では convertible と言います。「屋根をたためる」という様子を表します。


3. an engine of growth 原動力

This product can be an engine of growth for the future of our company.(この商品はわが社の将来にとって原動力になるでしょう。)

an engine of growth は「原動力」という意味です。engine の派生語は engineer であり、engine 自体は ingenious(独創的な)と同語源です。確かに綴りを見てみると類似性がありますよね。英語の勉強では辞書を引いたついでにこうして語源や派生語などに寄り道してみてください。その小さな積み重ねがやがて大きな結果となり、語彙力アップにつながります。

ところで日本でも有名なベンツの設立者、カール・ベンツはガソリン内燃機関を搭載した車の生産に初めて成功した技術者でもあります。ブランド名の「メルセデス・ベンツ」の「メルセデス」はベンツ社を受注した顧客の娘の名前だったそうです。Mercedes はスペイン語で「優雅」という意味です。


4. be like a rabbit (deer) caught in the headlights 驚いて立ちすくむように

During the interview, she was like a rabbit caught in the headlights.(面接の際、彼女はまるで驚いて立ちすくむかのような様子でした。)

headlight は車のヘッドライトのことです。夜間に運転していて小動物に遭遇すると、動物の方もびっくりして立ちすくみますが、その様子から生まれた表現です。ウサギでもシカでも当てはまるのがこのフレーズの特徴です。

ちなみに headlight の反対語は taillight です。また、head tail を使ったものでは headwind(向かい風)、tailwind(追い風)、headpiece(かぶりもの)、tailpiece(追加部分)などがあります。紙版の辞書ですと、ページを開くだけでこうした語が見開き状態で目に入ってきます。紙の良さですよね。

以上、今月は機械関連のフレーズをお届けしました。英語学習で大切なのは、読んで知ったことをそのままにせず、どんどん使っていくことです。口に出してみたり、SNSで書き込んでみたりとアウトプット方法はいろいろとあります。間違いをしても良いのです。そこから教訓を得ることが次につながります。ぜひ楽しみながら英語学習を続けていってください。


柴原 早苗
放送通訳者、立教大学・獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:00 |

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