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「北京から見る日中翻訳業界」 第8回 「敢えて変えるのか、敢えて変えないのか」
中国人の訪日旅行ネタは話題が尽きませんし、日本の受け入れ側の翻訳需要も増えており、日常的な言葉遣いが増えると、同じ漢字の同じ熟語が多く存在する日本語と中国語の間の翻訳でも、違う言葉に変換しなければならないケースが多くなります。

例えば「地元の名物料理、ぜひ挑戦してみてください!」なんて文章を翻訳する時に中国語でならどうなるでしょう。あるいは「新しくできたアトラクション、ぜひ挑戦してみてください!」ならどうでしょう。「挑战」という中国語はありますし、辞書を引いてもほかの訳語が掲示されませんけど、あんまり適切な訳語とは思えませんね。辞書は言葉の意味を説明するもので、訳語を提案してくれるものでない例の一つだと思います。

アトラクションと言えば1年延期されましたが、来年には上海ディズニーランドが開園予定で、設備や資料などの準備が着々と進められているところです。日本の東京ディズニーランドでは「シンデレラ城」になっているところ、中国では「奇幻童話城堡」になる予定だそうです。

ところでディズニーランドの中国語、みなさんご存知ですよね。こういった訳語は同じ中国語圏でも訳語が分かれることもありますが、ディズニーランドの場合は香港と同じ「迪士尼乐园」が上海ディズニーランドの公式ページでも採用されています。

ただ、香港のディズニーランドなどが登場する前に、訳語が定まっていないころ、ディズニーランドのように「音」から漢字をあてる「音訳」では訳語が不統一になることもありました。特に台湾ではウォルト・ディズニーのことを「華特狄斯奈」とか「迪斯奈」などと言っていたころもあり、欧米の政治家や、ハリウッド俳優の名前などと同じく漢字の当て方がばらけるということは一定以上の知名度を得るまでの期間によく発生します。最終的には自然淘汰されるのを待つか、あるいは当事者が自分で決めることで定訳化されます。

蛇足ながら、中国では意味から翻訳出来る場合は、音訳は避けられる傾向があると思います。音と意味とを兼ね備えたコカ・コーラの中国語(可口可乐)なんて今でも名訳として取り上げられますしね。

さて、上海のディズニーランド以外に、5年後には実は北京にもユニバーサル・スタジオが開設される予定になっています。今年から改正された環境法なども奏功して、今は低迷している日本や国外から中国への観光客も復調したらいいのにとは思いますが、時を戻して今、日本へ出かける中国人の「爆買い」はまだ勢いが衰えていないようです。本稿執筆中はまだゴールデンウィーク前ですが、中国も1日から3日は三連休、この機に日本へ旅行を計画する中国人も多いようです。


春節休暇の際の「爆買い」は中国でも話題になりましたが、報道ではどういう中国語になったかというと「爆买」がそのまま使われるケースも多くありました。初めて聞いた時はしっくりこなくて、「抢购」(買い漁る)なんかの方が適切じゃないかと思っていたわけです。過去形にしたのは考えを変えたということですが、なぜかというと後者は中国にもともとあった「光棍節」(独身者の日 シングルデー)のオンラインショッピングキャンペーンに使われていた印象が強すぎて、言葉としてはなんだか借り物みたいな便りなさを感じました。

中国も新しい言葉がどんどん生まれていますし、日本からの言葉の逆輸入だって今始まったことではありません。根付くかどうかは別問題ですけど、こういう文化と言葉の交換が本当の意味で相互の関係を深めていくのだとも思うのです。

 
| 【中国語翻訳コース】 | 10:00 |

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