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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 71回 料理に関連する英語表現
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 



先日輸入食材店でオーストラリアのお菓子・Tim Tam(ティムタム)を買いました。ビスケットの周りを濃厚のチョコレートがコーティングしている甘いお菓子で、実においしく頂きました。

私は商品の外装に書かれている英語を読むのも好きで、名前の由来などにも興味を抱きます。「Tim Tamの名前の由来は何かしら?」と気になり調べたところ、競馬馬の名前から来たのだそうです。この会社のオーナーが出張先でレースを観戦した際、勝ったのがTim Tamという馬だったのでした。

こうした自分での「調べ学習」の際、英語のサイトを読むと「英語を勉強していてよかった」としみじみ思います。

食べ物の話題が出ましたので、今日は料理関連のフレーズをご紹介しましょう。


1.cook the books

The tax office decided to look into the company’s account since they seemed to have cooked the books.(税務署はその会社の口座を調べることにしました。というのも帳簿をごまかしていたようだったからです。)

cook the books は「帳簿をごまかす」という意味で、組織の帳簿について使われます。ここで出てくる books は常に複数形であり、「帳簿」を指します。ちなみに「帳簿をつける」は keep (または do the books と言います。

ところでニュージーランドには料理本ばかりを販売するお店があり、その名も Cook the Books といいます。あえて「ドキ!」とするフレーズを店名にかけているのだとすれば、素敵なセンスですよね。


2.be cooking

His band was cooking last night. (彼のバンドは昨晩ノリまくっていましたね。)

cooking というと「料理をしている」を思い出しますが、ほかにも意味があります。be cooking で「ノリまくる」という語義になります。be cooking with gas が正式なフレーズで、いずれも略式表現です。

この表現の語源は1940年代にさかのぼります。そのころ世の中にガスが普及してきました。薪を使うよりもガスであれば料理も簡単にできますよね。

ところで What’s cooking? というフレーズも英語にはあります。こちらは「何が起こっているのか?」という意味です。また、カジュアルに「調子はどう?」とあいさつの場面で使うこともあります。


3.boil down to

We now have the conclusion so it’s better not to complain.  That’s what it boils down to.(もう結果が出たのだから文句を言わない方が良いよ。結局そういうことなのだから。)

boil down to は「結局そういうこと」という意味です。boil down は「(食べ物が)煮詰まって〜になる」ですが、略式表現では「(状況や問題などが)結局〜になる」という様子を表します。

down があるということは up もあるのでしょうか?英語を勉強するときは、ぜひ「反対語は?類似表現は?」と意識することを心掛けてみてください。ちなみに boil up は辞書を引くと「(状況が)悪化する」「(怒りなどが)沸き上がる」という意味だそうです。


4.sear into

I don’t like horror movies so the trailer that I saw in the cinema seared into my memory.(私はホラー映画が好きではないんです。なので、映画館で見た予告は私の記憶に焼きついてしまいましたよ。)

アメリカに Sears というデパートがあります。創業は1886年。「シアーズ」さんという男性が始めたのでした。こちらは人名ですが、sear into は「焼き付ける」「嫌悪感を与える」という意味になります。

sear intosear は動詞で「こがす」ということです。ただ単にこげめをつけるだけでなく、「肉などを強火で焼く」といったニュアンスが含まれます。普段料理をしていると「焼く」は英語で roasttoast だと思いますよね。けれども同じ「焼く」でも度合いによって使われる単語が異なるのです。こうした発見をするたびに、私など英語の勉強がどんどん面白くなっていきます。


今月は料理関連の英語をご紹介しました。ところで最近は書店にたくさんのレシピ本が並びますよね。私は日本のレシピ本が世界で(?)一番わかりやすいと思います。というのも英語圏のレシピ本は説明文が大半で、途中のプロセスを写真で写し出したものが少ないからです。工程を視覚的に見られる日本のレシピ本に私はいつも助けられています。


柴原 早苗
放送通訳者、立教大学・獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。
 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 12:00 |

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