通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

ISSスクールブログ

アイ・エス・エス・インスティテュートが運営しています。


<< 英語翻訳コース特別セミナーレポート「翻訳チェッカー ‐現場でのポジションと新しい業界参入のプロセスとその可能性‐」 | main | 授業体験レポート:2014秋【英語編】第8回 「期末テスト報告」 >>
『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 69回 単位に関連する英語表現
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 



ようやく春の兆しが感じられるようになりました。

一方、アメリカはこの冬、猛烈な寒波に見舞われています。五大湖の一部が凍結したり、ナイアガラの滝では「滝の彫刻」なるものも見られたりと、新たな観光名所ができたほどです。

私が放送通訳をしている英語ニュースには気象情報も出てきます。ヨーロッパの気温は日本同様、摂氏ですが、アメリカは華氏で示されます。華氏を摂氏に変換する計算式はあるものの、とても複雑で暗算できません。そのような時はやむを得ず「気温は華氏で示されています」と通訳し、視聴者の方には画面を見ていただくようにしています。

アメリカは華氏を始め、いまだにヤード・ポンド法が用いられています。

今回はヤード・ポンド法に出てくる単位を使った英語表現のご紹介です。


1.inch closer to …

Thank you for your explanation.  I think I am inching closer to understanding it. (説明してくれてありがとう。少しずつ理解できたように思います。)

inch は長さの単位「インチ」で、1フィートの12分の1のことです。ヤード・ポンド法の場合、12進法がとられますよね。inch closer to … は「少しずつ〜する」という意味で、じりじりと前進して近づいている様子がこのフレーズからはうかがえます。

辞書で inch を調べると語源はラテン語の uncia から来ているとあり、ounce(オンス)と同じ語源との表記が出ています。語源まで追いかけてみると色々と共通点が見えてくるのも英語学習のだいご味です


2.gallons of …

I drank gallons of coffee but I am still sleepy. 大量のコーヒーを飲んだのに、まだ眠いんです。)

量の多さを表すフレーズは英語にいくつか存在します。gallons of … は液体の量の場合に使える表現です。重量面での多さを表すなら tons of … が適しています。また、I have tons of work to do.(仕事が山ほどある)のような表現もあります。

英和辞典を見ると gallon の場合、アメリカ英語とイギリス英語では実際の量が異なるようです。アメリカの場合1ガロンはおよそ3.8リットル、イギリスなら4.5リットルです。こうしてみるとかなりの差がありますよね。


3.scrape (the bottom of) the barrel

I guess we have to go ahead with this idea because we’ve scraped the bottom of the barrel.(たぶんこの考えで進めるしかないでしょうね。もう他に打つ手がないので。)

scrape (the bottom of) the barrel は「他に打つ手がない」「やむなく最後に残ったものを使う」という意味です。barrel は「たる」そのもののことですが、「1たる」という容量を表す単位でも使われます。原油価格は今でもバレルですよね。ちなみにbarrels of … も「大量の」という意味ですので、例文2に似た用法があることが分かります。

ところで私は航空ショーが好きでイギリス時代はよく出かけていました。曲芸飛行の一種に barrel roll(バレルロール)があります。どのような動きか興味のある方はぜひ動画サイトで探してみてくださいね。


4.hide one’s light under a bushel

For a long time, she hid her light under a bushel so we were impressed with her talent. (長いこと彼女は自分の才能を隠していたので、その才能に感動しました。)

hide one’s light under a bushel は「自分の才能を隠す」という意味です。ブッシェル自体は穀物の計量単位です。

このフレーズは聖書から来たもので、オリジナルは Hide not your light under a bushel.(ともした明かりを升の下に置くな)という意味です。聖書のマタイ伝5章に記されています。「明かりというのは隠すものではない」ということになります。ここでいう「明かり」とはイエス・キリストを指しています。


今月はヤード・ポンド法に使われる単位を中心にご説明しました。例文4で聖書をご紹介しましたが、英語学習をしていると聖書と関連のあるフレーズがたくさんあることに気付かされます。その都度、原典にあたると教養を深めることもできますので、ぜひ皆さんも幅広く学んでいってくださいね。


柴原 早苗
放送通訳者、立教大学・獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。
 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 10:00 |

CATEGORIES

RECOMMEND BOOKS


SELECTED ENTRIES

CALENDAR
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< January 2020 >>

リンク

モバイル
qrcode