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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 64回 秋の味覚を用いた表現
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗
 



暑かった夏が終わり、今年も残り数か月となりました。

大学生のころ先輩に「1年生のときよりも2年生、2年よりも3年という具合であっという間に月日が経つよ」と言われたことがありますが、近年はそれがさらに加速しているように思います。

「時間だけが過ぎてしまった・・・」と思わないための最大のコツは何と言っても「今」を丁寧に、そして大切に生きること。そう言い聞かせながら日々の暮らしを楽しむようにしています。

さて、今回ご紹介するのは「秋の味覚を用いた表現」です。

この季節になるとおいしいものが色々とありますよね。果物、魚介類、野菜など、みなさんはどのような食材を思い浮かべますか?


1.mushroom growth

Over the past several years, we have seen a mushroom growth of new firms. (ここ数年、新規企業の急速な発展を見てきました。)

mushroom growth は「急速な発展、急激な拡大」という意味です。この表現の具体的な由来について私自身インターネットで調べてみました。このコラムを執筆する際にはグーグルでその表現を入力し、その後に origin という単語を入れます。そうするとその言葉の語源や由来を説明したサイトに行き当たれるのです。しかし今回は残念ながら、具体的な説明を施したページは見つかりませんでした。おそらくキノコの成長自体が早いことから誕生した表現と思われます。

ところで「エリンギ」は日本で人気がありますが、果して何語だろうと思ったことはありませんか?「襟ん木」のような当て字と思えなくもないですよね。エリンギは元々学名の Pleurotus eryngii から来ています。英語では king trumpet mushroom, king oyster mushroom あるいは French horn mushroom と言うそうです。楽器に掛け合わせているのが興味深いですね。


2.sour-grapes

He was really frustrated after losing the game. That’s why he made sour-grapes.(彼は試合に負けて本当に悔しかったんだ。だから負け惜しみを言ったんだよ。)

sour-grapes は「負け惜しみ」という意味です。もとはイソップ物語の「キツネとブドウ」から来たものです。木の上においしそうに実っているブドウを見たキツネ。けれども跳び上がっても届きません。「どうせ酸っぱくてまずいブドウなんだ」と捨て台詞を吐くというあらすじです。

ちなみにイソップ物語グリム童話ギリシャ神話聖書などには様々なエピソードが綴られています。その中には英語表現として用いられているものもありますので、ぜひみなさんも子ども向け絵本で構いません。概略だけでも把握するようにしてみてくださいね。


3.apples and oranges

It’s quite understandable that they weren’t getting along well.  They were apples and oranges.(彼らがうまくいっていなかったのは理解できるよ。水と油のようだったからね。)

「水と油のよう」は英語で apples and oranges と言います。まったく異なる性質を持つものを比べても、そもそも比較することができませんよね。つまり、この英語は「比べることができないもの」を意味します。

さて、私は日ごろ放送通訳に携わっており、紙の新聞やニュースサイトを読むことも仕事の一部です。しかし、「通訳」という仕事自体、あらゆることが学びの対象であるとも考えます。ですのでなるべく美術館やコンサートに足を運び、本物に触れることも大切にしています。

美術館といえば、リンゴやオレンジは静物画でよく描かれますよね。有名なものではセザンヌの「りんごとオレンジ」という作品があります。19世紀終わりごろに描かれたものです。


4.old chestnut

Oh no, not that old chestnut again!  I’ve heard that joke so many times! (またあの冗談を?そのジョークなら何回も聞いたよ!)

old chestnut は文字通り訳せば「古い栗」ですが、ここでは「あの冗談、陳腐な決まり文句」という意味を持ちます。もう散々聞いているのでうんざり、というものを指します。一説によれば、このフレーズは19世紀の演劇から来たのだそうです。上記の文章を別の言葉で言い換えるのであれば、Oh no, not that same old story again! とすることもできます。

ところで chestnut を使った表現をもう一つ。pull one’s chestnuts out of the fire です。これは「火中の栗を拾う、他人を救うために危険な目にあう」という意味です。こちらもイソップ物語の寓話から来ています。

今回は秋の味覚を用いた表現をご紹介しました。ぜひみなさんもおいしい食材を味わいながら、このコラムで学んだフレーズを思い出してみてくださいね。


柴原 早苗
放送通訳者、立教大学・獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。
 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 09:00 |

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