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ISS講師が語る「私を支える○△□」 第1回 柴原早苗先生の「座右の銘」



今月から、新連載「ISS講師が語る『私を支える○△□』」がスタートします!
本連載では、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師に、自らの“通訳者・翻訳者人生”(少し大げさですが…)を振り返りながら、現在の自分を支えている「言葉」や「モノ」、「出来事」について語っていただいています。

○「言葉」=座右の銘、△「モノ」=こだわりの逸品、□「出来事」=私のデビュー戦(初仕事)

ISS講師がこの3つからテーマを選んで語ります。第1回目は、英語通訳者養成コース講師、柴原早苗先生の「座右の銘」です。

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「何故私たちでなくてあなたが?
あなたは代って下さったのだ」


これは精神科医・神谷美恵子先生が記した詩の一節です。先生は終戦後、ハンセン病の施設で精神科医を務めました。当時はハンセン病患者たちの置かれた状況は厳しいものであり、先生は献身的に治療や研究にあたったのでした。

私がこの一節に巡り合ったのは大学を卒業して間もないころでした。

念願の企業に入れたものの希望部署には行けず、自分の今後について考えていた時期です。現実逃避をすべく、英語関連の資格試験を受けたり通訳学校に通ったりしていました。

その後転職や留学を経て私はフリーランス通訳者となりました。アテンドやビジネス通訳、国際会議の同時通訳などに携わったのち、放送通訳の世界で働くことにしたのです。

日々ニュースに接していると、多様な話題が飛び込んできます。医学や宇宙関連ニュースで新たな発見や進歩が見られたという一報には心から嬉しくなります。

しかし報道の大半は戦争や飢餓、環境問題など、画面を見ていて心が痛むような話題です。そのようなニュースを訳すたびに、なぜ自分は空調の効いた快適な同時通訳ブースでこれを訳しているのか、なぜ画面の向こうの人々は人間としてすさまじい経験をしているのか、私は考えてしまうのです。

そのようなときに思い出すのが冒頭の一節です。

たまたま日本という安定した国に私は生まれ、偶然の積み重ねで私は恵まれた状況で仕事を続けています。

一方、地球の反対側では今この瞬間も厳しい環境下で生きる人々がいます。私一人の力ですべてを解決することはもちろんできません。

では英語を通じて自分にできることは何か。

神谷先生の一節を常に心の中で大切にしながら、社会のお役に立ちたいと私は考えています。


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柴原 早苗(しばはら さなえ)
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。
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「ISS講師が語る『私を支える○△□』」掲載一覧
 

 

| 私を支える○△□ | 10:00 |

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