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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 60回 「折る・曲げる」

アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 

 


私は幼少期に海外で暮らしていたことがあります。その頃はまだ英語も話せず、唯一友達とコミュニケーションが図れたのは遊びを通じてでした。最初に教えたのが「おりがみ」で、「おりづる」を折ってあげました。まずは私が披露し、次に一緒に折ってみたのですが、想像以上に友人たちは苦戦していました。「角と角をぴったり合わせて折る」「折り畳んだものを広げる」といった動作に慣れていなかったのですね。それでもがんばって出来上がったおりづるに皆大歓声を上げていたのでした。

今回ご紹介する表現は「折る・曲げる」に関連したフレーズです。

1.fold

Please fold the paper along the dotted line.

(点線に沿って紙を折ってください。)

fold は高校で学ぶ単語で、「折る、折り畳む、折り重ねる」という語義でみなさんも覚えていることと思います。布や紙などを折る動作に使われるのですが、英英辞典を引くと、より詳しいニュアンスが分かります。「ロングマン現代英英辞典」では“to bend a piece of paper, cloth etc by laying or pressing one part over another”と出ています。感覚としては「平らな面をもう一方の面に押し付ける」という印象ですよね。


2.fold one’s arms

She was folding her arms, thinking what to do next.
(彼女は腕を組みながら次に何をしようか考えていました。)

fold one’s arms は「腕を組む」という意味です。cross one’s arms とも言います。文字通り「腕組みする」動作を表しますが、ボディランゲージとしてみた場合、これは「非協力の意志」と取ることもできます。
ところで英語で「足を組む」は cross one’s legs と言います。イスに座って片方の足をもう片方に交差する動きですね。一方、「あぐらをかく」は sit cross-legged です。日本では女性のあぐらは未だに気が引けますが、イギリスの小学校ではあぐらが正式な座り方であり、女の子も男の子も全校集会では体育館の床にあぐらをかいて座ります。ところ変われば文化も異なるのですね。


3.–fold

As from the chart, our sales figures have increased twofold.
(チャートからもお分かりの通り、私どもの売上高は2倍増加となりました。)

-fold は接尾辞で、「〜倍の、〜重の」という意味を持ちます。もともとは古英語の fealdたくさんの層に折られた状態)から来た単語です。-fold の前に数字を付けて threefoldtenfold といった用法になります。
ちなみに聖書の創世記26章に「収穫は百倍になった」という記述がありますが、英語では hundredfold という語が用いられています。他にも -fold を用いた語では manyfold何倍も)、manifold多種多様の)、multifold幾重にも折り畳んだ)などがあります。


4.bend over backwards

I’ve bent over backwards to help him.
(彼を助けるために一生懸命やりましたよ。)

「折る」に関連した表現をご紹介したので、「曲げる(bend)」を用いたフレーズも一つ見てみましょう。bend over backwardsはここでは「一生懸命やる」という意味で使われています。bend over はもともと「前かがみになる」状態ですが、さらにbackwards(後ろ向きに)ということは、かなり無理な体勢をとることになりますよね。そこから「一生懸命やる」という意味になったのだそうです。lean over backwards も同義です。


いかがでしたか?今回は「折る」「曲げる」に関連したフレーズをご紹介しました。英語には簡単な単語を用いた興味深い比喩表現がたくさんあります。ぜひみなさんも「知っている単語」ほどあえて辞書を引き直してみて下さい。今まで知らなかった意味が出てくるはずです。

ところで今回 bend を調べていた際、「そういえばアメリカ・インディアナ州にSouth Bendという地名があったっけ」と思い出しました。その由来を「ブリタニカ国際大百科事典」で探したところ、「セントジョーゼフ川が大きく湾曲する地点にあるため」と出ていました。確かに地図で見てみるとほぼ直角に曲がっているのが分かります。一つの単語から旅行気分を味わえるのも、英語学習のだいご味です。


柴原 早苗
放送通訳者、立教大学・獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 12:00 |

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