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現地駐在員による〜中国北京便り〜第五回 「北京城の城壁を訪ねて」

アイ・エス・エス・インスティテュートと同じ、翻訳センターグループの一員である北京東櫻花翻訳公司(本社:北京市)のマネージャーが北京の最新事情をお伝えします。

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中国で進められている「都市化政策」ですが、中国語では「城鎮化・城市化」とも言われています。「」とは「街・都市」の意味を含みますが、元は「城壁」を指したもので、「街・都市」という意味は「城壁に囲まれた地域」という定義から変転したものと言われています。

日本では街のなかに城があって、城の周囲を城下町などとも言っていたわけですが、中国の場合は城のなかに街があったということになります。

北京に限らず中国の古い都市には外敵の侵入を阻むための城壁がありました。北京市に残っていた城壁は残念ながら大半が取り壊されてしまい、今は一部地域に城壁跡公園となって残っているのみですが、西安や南京などの都市では、まだ城壁が歴史の息吹を伝えています。


さて、中国で城壁と言えばもうひとつ思い当たるのは世界遺産にもなっている万里の長城がありますが、一口に万里の長城と言っても作られた時代や地域によって様々な種類に分類することができます。

日本人が歴史の教科書で習うのは、秦の始皇帝が騎馬民族からの侵略に備えて造営したものというのが有名ですが、現存する多くの長城は明の時代に造られたものです。

万里の長城といっても端から端まで一つにつながっているわけではなく、各時代のものが重なったり、同時代でも城壁が分離したり合流したり、山の尾根に沿ってU字になったりM字になったりしており、また残存している形状にしても、城壁になっているものだけでなく、ただの石塁の段階で止まっていたり、瓦礫を積み上げたところで放置されているような区間もあります。

城壁としての体裁を保っている長城ならば、一定区間ごとに背が高い城塞のような建物が設けられており、城壁が合流したり分離したりする場合もこのような建物がジャンクションになっている事が多く、こういった建物のことを中国では「」と呼びます。「」は外敵を阻むもの、「」は外敵を見張るものだったわけです。


時を過去から現代に戻し、今の都市部(城市)ではビルのことを「大楼(摩天楼)」と呼んでおり、長城の「」と重ねてみると、近代的なビルが大きな見張り台にも見えてきます。

そんなビルの屋上の展望台から都市全体を俯瞰する時、もしここが見張り台だとすれば、外敵から都市を守る城(壁)はどこにあるのか、そもそもどこから向こうが外敵の土地になるのかなどと考えさせられるところです。


さて、目に見える壁がなくなった北京ですが、街の中には城壁跡に出来た環状道路に区画されるが如き、目に見えない格差の壁が出来ていると言われることもあります。

最先端の瀟洒なビルの裏通りに昔ながらの路地裏(胡同=フートン)があるのが北京です。北京に暮らす一人としては、都市開発のなかでも近代と過去、新しいものと古いもの、人と人が今後も良い意味で交じり合いながら、形は変わってもその息吹を後代に伝えていって欲しいと願う次第です。


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