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『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 58回 気象関連の言葉を使った英語表現
アイ・エス・エス・インスティテュート 英語通訳者養成コース講師 柴原早苗

 

 


昨年末から今年にかけて、世界各地では異常気象が見られました。アメリカでは極渦(polar vortex)という大寒波が主に東海岸を襲い、停電に見舞われた地区もあります。一方、イギリスではテムズ川の一部が氾濫し、避難を余儀なくされた住民も多数いました。日本でも2週連続の大雪が関東地方で降りましたね。地球温暖化との関係なども気になるところです。

そこで今回は気象関連のフレーズを見てみましょう。日本語では「晴れ着」「雨男」「雲の上の人」など、お天気の言葉を使った言いまわしがありますが、英語ではどうでしょうか?


1.under a cloud

She is waiting the result of her exam.  She has been under a cloud all week.  

(彼女は試験の結果を待っているんだ。今週ずっとふさぎ込んでいるよ。)

under a cloud は文字通り訳すと「雲の下で」となりますが、be under a cloud remain under a cloud と記すと「ふさぎ込んで、憂鬱で」という意味になります。一説によればこのフレーズが生まれたのは16世紀ごろで、「人の上に黒い雲が垂れ込める」という状況から転じたのだそうです。

他にも under a cloud には意味があり、たとえば under a cloud of suspicion であれば「疑いをかけられて」という略式表現になります。

ところで cloud を使った表現には他にもあり、be on cloud nine「上機嫌で、嬉しくてウキウキした」という意味です。やや古い言い回しですが、なぜ「9」なのかと言いますと、米国気象当局が雲に関して分類をしており、「9番目の雲」を入道雲と定義していたのです。入道雲ぐらいの高さまで行けた、だから幸せ、という状況を表しているのでしょうね。


2.nothing under the sun

Although the store has renamed itself, there is nothing new under the sun.
(そのお店は別の店舗名になっていますが、大して変わり映えしませんね。)

under the sun「この世で」という意味ですが、nothing under the sun「まったく何も〜ない」となります。上記例文では nothing new under the sun「変わり映えしない」という語義になります。

ところで sun を代名詞で置き換える場合には heit を用います。一方、月(moon)であれば she または it を使います。過日、イギリスのラジオ番組に耳を傾けていたところ、連想ゲームが行われていました。出題者が “What is the colour of the sun?” と尋ねると、回答者は “Yellow!” と答えていたのが印象的でした。日本ならば「赤」ですよね。

なお、日本語では「太陽は東から昇る」と言いますが、英語では The sun rises in the east となり、前置詞の from ではなく in を用います。「日焼け」は健康的な場合 suntan ですが、炎症を起こしたのであれば sunburn となります。同じ sun でも色々な表現がありますよね。


3.praise … to the skies

The concert went extremely well.  The critics praised the new conductor to the skies.
(コンサートは非常にうまくいきました。批評家たちは新しい指揮者を絶賛しました。)

praise … to the skies「絶賛する」という意味で、19世紀初めごろに誕生したと言われています。その人の才能や業績などを大いに褒める際に用いられます。

似たような例文を見てみましょう。She is always singing her husband’s praises.(彼女はいつも夫を称賛している)の sing someone’s praises「称賛する、絶賛する」という意味です。「称賛を歌う(sing)」というのが興味深いですよね。

sky を使った表現は他にもあります。たとえば The sky is the limit. 「(金額などが)制限なしである、天井知らずだ」という意味を持ちます。「超高層ビル、摩天楼」は skyscraper ですが、これは「sky(空)+scraper(こするもの)」という語源から成り立っています。初出は19世紀ですので、ちょうどアメリカで摩天楼の建築が始まったころと一致するのが分かります。


4.over the moon

Last week, he got a job offer.  He was over the moon!
(先週、彼は採用が決まりました。大喜びしていましたよ!)

「大喜びする」over the moon と言います。後ろに about を付けて He was over the moon about his new job.(彼は新しい仕事に大喜びしていた)とすることもできます。「月を飛び越えるほどうれしい」というのが元のニュアンスです。

ところでみなさんは「マザーグース」をお読みになったことはありますか?この中に Hey Diddle Diddle という詩があります。その一説に The cow jumped over the moon. という一文があるのです。動画サイト You Tube で検索してみるとアニメ付きのものが出てきますので、ご興味がありましたらばチェックしてみて下さいね。

英語の学習というのは、テキスト以外に手を拡げることで新たな発見が生じます。そうしたときの「へえ!」「わあ!」「おもしろい!」も学習の動機づけになります。ぜひみなさんもご自分なりの楽しみ方を見出していってください。


柴原 早苗
放送通訳者、立教大学・獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。

 

| 『柴原早苗先生のワンランクアップの英語表現』 | 12:00 |

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