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現地駐在員による〜中国北京便り〜第四回 「北京に息づく医食同源」

アイ・エス・エス・インスティテュートと同じ、翻訳センターグループの一員である北京東櫻花翻訳公司(本社:北京市)のマネージャーが北京の最新事情をお伝えします。

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ここ数年北京では麻辣香鍋という料理が流行っていて、仲の良い友達や恋人、家族などとちょっとだけ贅沢な食事を楽しみたいといったシーンで利用されています。

名前を聞くと鍋料理かと思ってしまいがちですが、実際には中華鍋に具材と調味料とともに、大きくて真っ赤な唐辛子をふんだんに放り込んで豪快に炒めた料理で、注文する時に「辛さの度合い」と、「具材」を自分で選べるようになっています。

唐辛子を使った激辛料理といえば中国では四川料理や湖南料理が有名で、3文字目の「香」が「火」になれば麻辣火鍋、純粋な四川発祥の鍋料理をいいますが、両者の違いはスープの有無だけではありません。中国のポータルサイト、百度百科によれば、そもそも北京で流行っている香鍋は四川料理ではなく、その発祥は北京だとされているのです。

実際、麻辣香鍋の歴史は浅く、ここ数年で北京を中心に広まったものですが、そもそも北京料理と言えば山東料理系に属しており、特徴は味の濃さと塩気の強さ、とろ火で煮崩れるほど煮詰める「燉(ドゥン)」という調理法にあります。北京のように乾燥した風土で香辛料をふんだんに使うような刺激の強い料理や、油をふんだんに使うような料理は、むしろ「上火(シャンフオ)」しやすくなると言って避けられることが多いのです。

「上火」とはとても翻訳しにくい言葉の一つですが、中国医学では日常的に使われており、具体的な症状としては口内炎ができたり、ニキビや湿疹、鼻血が出たり、イライラして怒りっぽくなったりします。このような状態を西洋医学では病理とはみなしませんね。

中医で重視されるのは全身のバランス、滞りなく気脈の流れる状態を維持することであり、上火とはバランスが崩れて体内の「火」が強くなりすぎた状態を指します。北京でも生活の智恵として、上火しやすい食べ物を避け、それでも上火してしまったら「火」を下げるための食べ物をとることが、家庭内医学のレベルで普及しています

そもそも四川省や南方地域など高温多湿な地域では、香辛料の効いた料理を食べれば発汗作用を促し、体内の熱を発散させる効果があるから辛いものを食べる習慣ができたのだなどとも言われていますが、沖縄や台湾などは同じように高温多湿ながらも唐辛子を常食とする文化はありませんので、気候が食文化を決める全てではないでしょう。ただ、北京のような乾燥地帯に暮らし、身体の水分がそもそも余っていない状態で、香辛料による発汗作用が起きればどうなるのかという答えの一つが上火だとは言えるのかもしれません。上火しやすい食べ物の筆頭は揚げ物と香辛料の効いた料理ですから、深く考えなくとも北京で麻辣香鍋をたくさん食べるのは身体にあまりよくなさそうです。

それでも時には刺激が欲しくなるのが人の情、そんなとき北京の人々は「涼茶(リァンチャア)」という清涼飲料水を一緒に飲んで「去火(チュイフオ)」するわけです。王老吉といえば中国で知らない人のいない涼茶のブランドで、私も愛飲しています。みなさん北京へお越しの際は是非セットで体験してみてください。


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