通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

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ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第30回: 榊原奈津子先生(英語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「一生の宝をISSで」

         榊原奈津子先生(英語通訳者養成コース)

 

 

英語が大好きな人なら一度は考えたことがある「通訳者」。しかしいったん英語を勉強する環境から遠ざかると、多くの方が「これから勉強してもとても無理」と諦めてしまいます。通訳者には様々なスキルが要求されますが、何歳からチャレンジしても決して無理ということはありません。実際に私のクラスを受講される方の年齢も様々です。決して楽な道のりではありませんが、ただでさえ忙しい毎日の中から時間を割いて、自分をステップアップさせようと決意したことは、素晴らしいことだと思います。プロになるまでにはその「やる気」を何年間かは維持していく必要がありますが、たとえプロにならなくても、その何年間かで得た「実力」は一生の宝です。

 

通訳の授業は、会話学校やその他の資格を取るための授業に比べるとかなり厳しいものですが、この内容の濃い授業に一生懸命取り組んで課題を消化していけば、英語の実力がこれまで経験したことがない程伸びるであろうことは想像できると思います。英語を使ってできる仕事の幅も、うんと広がっていることでしょう。私自身がまさにそうでした。私は通訳の授業を7期、3年半受講しましたが、最初の2年を終えたあたりから仕事の幅がうんと広がり、人生に対する考え方も変わってきました。ですので私は生徒さんに、少なくとも2年は勉強を続けてみてくださいとお勧めしています。2年続けることができれば、恐らく皆さんの人生は大きく変わると思います。私はかなり集中的に頑張りましたので、あまり時間を掛けて取り組めない方は、私のように実感するのに2年以上かかってしまうかもしれませんね。でもたとえそれが3年、4年、5年であっても、長い人生の一部をこの勉強にかけて、その後の更に長い人生の質を高めていけたら、とても有効な数年になるのではないでしょうか。英語が好きで、できれば一生英語に携わっていきたいと思っていらっしゃる方なら、いつ始めても遅くありませんから、環境がある程度整った段階で、是非通訳の勉強に挑戦していただきたいですね。

 

私は通訳者に必要なスキルは4つあると考えています。「単語力」「構文力」「リスニング力」「知識」です。「知識」は日本語で新聞や雑誌を読んだりして蓄積していくものですので、最初の3つの力を伸ばす方法についてお話します。

 

まず「単語力」ですが、2つの方法があります。文章の中で覚える方法は定着率は高くなりますが、覚えられる数に限りがあります。単語が並んでいる本、受験の時に使ったような本で覚える方法は、一度にたくさんの量を覚えられますが定着率は前者に比べるとかなり落ちます。ですのでこの2つを組み合わせて同時にやっていくのが最も効率的だと考えています。入門科レベルではこれらを踏まえて単語テストを行っています。きちんと取り組めた方と時間がなかった方とでは1期、4か月余りの期間が終わった後の単語力に既に大きな差がついています。

 

次に「構文力」ですが、これは文法の力とは異なり、長い文を読んだ時に「かたまり」ごとの繋がりを瞬時に理解する力です。このスキルがあれば、文中に分からない単語が少しあったとしても全体で何を言おうとしている文なのかを把握することができるようになります。これを伸ばすにはとにかく良い英文をたくさん精読すること。精読と言うのは辞書を使ってしっかりと文の全てを把握するように読んで行く事です。全訳を書き出す事ができれば、構文力強化には大変効果的です。

 

最後に「リスニング力」です。私は帰国子女ではありませんので、まだ勉強を始めたばかりの頃はリスニング力不足で随分苦労をしました。その私がリスニング力向上の為にやったのはディクテーションとシャドウイングです。学んでいた当時、通訳のクラスで60分のカセットテープを何本も渡され、そこで聞こえてくる英語を全て書き出すという課題が出ました。それを何回も何十回も聞いて書き出し、その後答えをもらってさらに何度もシャドウイングをする。これをかなりの量やったおかげで、1年も経たないうちに自分のリスニング力が飛躍的に伸びてきたのを感じました。

 

このように色々な勉強法がありますが、これらに自分一人で取り組むのはかなり孤独な作業です。効果を上げる為に必要な量をこなすには「やる気」を維持していくことが必要です。学校で学べばクラスメートが良いペースメーカーになってくれますし、落ち込んだ時には励ましてくれて相談相手にもなってくれます。講師が実力を客観的に見て評価してくれることも大きな助けとなるはずです。人生を変えてみたいと思う方は、是非一歩踏み出してISSで学んでみてください。

<禁無断転載>

 

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<榊原奈津子先生のプロフィール>

上智大学外国語学部英語学科卒。上智大学大学院にて英語教授法(TESOL)修士号を取得。外資系航空会社勤務を経てアイ・エス・エス・インスティテュートで通訳訓練を受ける。フリーランスの通訳者として航空をはじめ多分野で活躍する傍ら、20年以上にわたり同校の講師を務めている。上智大学他、大学の講師も務める。

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| ISS講師からの応援メッセージ | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第29回:和田泰治先生(英語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「北極星」

和田泰治先生(英語通訳者養成コース)

 

 

私がISSに通学していたのはもう20年以上も前のことです。


時は90年代初頭、日本はバブルの夢うつつから醒めたか醒めぬか現実が掴めぬまま、その後の「失われた20年」へと転落していく淵で彷徨っていた時代です。


その当時から20有余年。今にして思えば、海外での生活経験も無く、頭も悪くて勉強も仕事も大嫌いという人間が、何と四半世紀もの間、ただ人前でしゃべるのが好きだというだけでこの世界で生き延びてこられたことは奇跡としか言いようがありません。正直に言って自分でも驚いています。本稿では、そんな私が通訳者として何よりも大切だと思ってきたことを書かせていただきます。独り言だと思って読んでください。

 

私の通訳者としての永遠の課題は「いかに恐怖心と不安を克服し、この過酷な仕事を続けていくメンタリティを維持していくか」ということです。

 

そもそも私にとって「通訳」とは無理難題に他なりません。全く異なる文化、思想、言語の狭間でその溝をたった一人で埋めなければならない。100%完璧にこなすことなど絶対にあり得ない状況の中で苦闘し続ける。そんな宿命から逃れる術はありません。

 

そして20年間、毎日、現場へ出る不安や恐怖心と戦ってきました。自らの知識レベルを大きく超える難解なトピック、どんな言葉を、どんなふうに話すのかも全く不明な初対面のスピーカー、事前情報も無く、ぶっつけ本番の繰り返し・・・・・現場に出るまではとにかく怖い。暗闇の中で今にも得体の知れない魔物に囚われるのではないか。そんな恐怖に怯えながら現場へ向かいます。そして通訳者として最も大切なのは、その不安や恐怖心を克服することに尽きると考え、そのために一体何をすべきかを長い間試行錯誤してきました。

 

私の結論は「自分の考える理想の通訳」をできる限り具体的にイメージし、その達成を目標として徹底的に勉強し続けることによって恐怖や不安を克服しようというものでした。

 

私の思い描く理想の通訳のスタイルとは簡単に言えば次のようなものです。


一方の極にはスピーカーの話す言語(source language)を一字一句、副詞、形容詞に至るまで徹底的に単語単位の粒度で聞き手側の言語(target language)に置き換えるような通訳、言うなれば超高精度な機械翻訳とでも称すべきスタイルがあります。そして私の理想とする通訳はもう一方の極にあります。つまり発言者の言葉は発言者の思考、意図のサインに過ぎないと捉え、その言葉を解釈し「意味」(あるいは「意図」や「メッセージ」)として完全に抽象化してから通訳者が自分自身の知識と話力を駆使してその「意味」を「説明」し直す。言い換えれば、発言者の言葉自体からは極力自分の意識を引き離す。そうしてこそ発言者の表層的な言葉に囚われず、言葉の構造や文化の違いを吸収してその思考と完全に同化することができる。これこそが「天衣無縫の通訳」であり、常に回帰すべき理想の原点だと考えてきました。

 

もちろん通訳個人の嗜好や能力、どのような分野で通訳をしているかによって、理想とする型は千差万別です。何が優れているか、間違っているかが問題ではなく、大切なのは、型の如何を問わず、自分が目指すべき理想がどのような通訳なのかということを、明確に、具体的に持つことです。このテーマのこの通訳をする場合には、どんなパフォーマンスができれば完璧に理想的な通訳なのか、自分にとっての至高の通訳なのか、ということを突き詰めて考え、イメージし、そしてこの理想を実現するために必要な学習プログラムを作って毎日粛々と勉強し続けるのです。

 

現場では満足のいくパフォーマンスができない。それは目標に到達する領域に自分が未だ至っていないだけであり、得体の知れない魔物など存在していない。究極の目標さえはっきり見えていれば、ただそこへ向かって自信を持って歩み続ければよい。そう言い聞かせることで私は不安や恐怖心と対峙してきました。

 

通訳者の私にとって「自分の目指す理想の通訳」は、その昔、漆黒の闇の中で夜間飛行をする飛行士にとって命の光だった北極星です。そこに輝く一点の光が私を進むべき航路へと導いてくれるのです。

 

皆さんの中にも、私のように通訳者を目指す過程で、通訳者となった後も、様々に悩み、迷い、不安と恐怖心に囚われている人がいるかもしれません。底知れぬ深遠な闇に吸い込まれ、身動きがとれなくなりそうになる。そんな時、闇の中に一際明るく輝いている星。そこを目指していけば必ず原点に戻り何度でも目的地への航路が開ける。そんな皆さんにとっての北極星を見つけてください。

 

最後に、私の敬愛するサン・テグジュペリが飛行士を描いた処女作「南方郵便機」の一節を皆さんに贈ります。

 

「ただ空の星だけが、我らに真の距離を示してくれる。静かな生活、忠実な恋愛、なつかしい恋人、それらのものの在所(ありか)をいま僕に示してくれるのは実にあの北極星だ」(「南方郵便機」堀口大學訳 新潮文庫)

<禁無断転載>

 

 

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<和田泰治先生のプロフィール>
明治大学文学部卒業後、旅行会社、マーケティングリサーチ会社、広告会社での勤務を経て1995年よりプロ通訳者として稼働開始。スポーツメーカー、通信システムインテグレーター、保険会社などで社内通訳者として勤務後、現在はフリーランスの通訳者として活躍中。

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| ISS講師からの応援メッセージ | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第28回:山口朋子先生(英語翻訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「ISSとの出会いに感謝」

         山口朋子先生(英語翻訳者養成コース)

 


元々ISSインスティテュート英語翻訳者養成コースの受講者だった私。同校の門を叩いたのは、アメリカからの本帰国後少し経ってからでしたから、もうかれこれ約10年前のことになります。

 

大学での専攻は法律でしたが、英語はもともと大好きで、中学・高校の頃から文法の勉強が苦にならず、むしろ徹底して突き詰めたいという思いが強く(笑)英文読解その他の授業も楽しみながら、英語に関する知識欲はふくらむ一方でした。大学の頃も英会話スクールに通うなど英語への興味は尽きず、卒業後就職した外資系メーカーでは、入社後すぐに研修で念願の約1か月半におよぶアメリカ生活を体験。学んだ英語を生かしつつも、何度も「思ってたのと違う!」というギャップにぶち当たり、その都度「生きた英語」に触れながら自分の中で知識・情報をアップデートしていく日々が始まりました。その後転職も経験し、全く違う分野の仕事をする中でも、仕事柄プレスリリース等の英語に触れたり、電話やFAX、メールでの英語のやり取りが必要になるなど、英語を使う機会は少なからずありました。

 

その後渡米し、まずCommunity CollegeでESL(English as a Second Language)クラスを受講、当然なのですが全て英語で授業を受け、プレゼンするベースを築き、大学院での英語教授法コースを修了して帰国。帰国前「日本で何をしよう?」と考えた時、真っ先に頭に浮かんだのが翻訳の勉強でした。英語力を生かし、以前から興味のあった翻訳の世界に足を踏み入れてみたい、と考えたのです。住んでいたロサンゼルスには当時ISSのロサンゼルス校があり、そこで学んでみたいという思いを抱きつつ帰国の途についた私は、他の学校との比較など何故か全くせず(笑)ロスじゃないなら東京で、と迷わずISSを選んでいました。

 

今こうして晴れて翻訳者としてのお仕事を得ることができ、僭越ながら同校で授業を担当させていただいている自分の姿など当時全く想像がつきませんでしたが、これもひとえにISSインスティテュートとの出会いのおかげであると実感しております。素晴らしい先生との出会いも含め、不思議なご縁を感じるばかりです。改めまして感謝の意を表します。

 

受講生として、また講師として本当に長い期間にわたりお世話になっている私ですが、受講生だった頃はとにかく毎回の授業で新しい発見や気付きを数々体験し、翻訳というもの、そして英語、日本語という言葉の面白さにどんどん魅了されていきました。やはり独学だけではなくこうした専門の学校に通い、自分では気付かずにいつのまにか出来上がっているミスのパターンや表現の癖などの短所、その他自覚していなかった長所についても第三者の、しかもプロの目から見た的確な指摘やアドバイスが得られること、そして翻訳者として活躍している方々の生の有意義なお話を聞けること、こうした利点は学校に通ってこそ得られるものであり、それによってモチベーションも上がって、ますます自分磨きに尽力できるのだと思います。自分にはない良さを持っているクラスメートたちと互いに切磋琢磨して学習に励み、時にライバルとして、時に励まし合いながら共に上を目指すことが出来る環境も貴重なものです。

 

私も、現在では講師として受講生の皆さんと接する機会を得るようになり、強く思うのは、こうした素晴らしい環境やメリットを存分に生かして思いっきり学習に励んでいただきたいということ、そして折角お時間を割いて通っていただくからには、ただただ課題をこなして、授業に参加するだけ参加して、復習もせず終わり、というのではなく、その学期だけでも最低限死に物狂いでいろいろな努力をしてみること、つまり自分の欠点・問題点・改善点を洗い出してどうクリアしていくのか、そしてさらに飛躍を遂げるためには何をすれば良いのか、把握して実行に移すこと、こうした取り組みを是非積極的に進めて欲しいということです。

 

受講生だった頃も、講師としてお世話になっている今も、ISSはスタッフのサポートがしっかりしていると感じます。学校全体のアットホームな雰囲気につながっている所以でもあるかもしれません。受講生の皆さんお一人お一人が目指す夢や目標に向け、勿論ご自身の120%の努力が何よりも大事ですが、是非ISSのスタッフ、講師、そして仲間たちと共に、充実した学習体制のもと、ゴールを目指しましょう!

<禁無断転載>

 

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<山口朋子先生のプロフィール>
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。外資系メーカー他勤務後、米国カリフォルニア州立大学大学院にてTESOL(英語教育法)修士号を取得。アイ・エス・エス・インスティテュート英語翻訳者養成コースを経て実務翻訳の道へ。アイ・エス・エス・インスティテュートでは総合翻訳科・基礎科2レベルを担当。

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| ISS講師からの応援メッセージ | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第27回:加藤早和子先生(英語通訳者養成コース)

           

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「価値観同士が接する最前線」

         加藤早和子先生(英語通訳者養成コース)

 

 

海外留学経験者でもなく、帰国子女でもない自分が何故この道に関心を持ったか、今振り返ってみると、自分が一貫して異文化との接点に関心があったのだと認識しています。媒介となる言語は英語であっても、相手は英語が母国語でない方々も多く、20年余の経験からも、ネイティブでない方々からの需要は以前より増えているように思います。英語を使っての対話の中にも、言葉の選び方、論理の組み立て方、アプローチの仕方を注意深く観察すると、相手が属する文化が持つ価値観が感じられます。もちろん、自分は日本の価値観を背後に持って対応していることも分かります。人間同士、共通する部分もありますが、文化は相対的なものです。

 

また、ネイティブならではの表現の仕方、英語という言語の柔軟さ、奥深さ、時には言語としての美しさ、難しさ、価値観といったものを体験する面白さもあります。

 

とはいえ、道具として役立てる機能が、実際の仕事の場面では重要です。まずは、対象としている概念を正しく理解して表現しなければならないですから。特に専門的な内容の場合は、理解力は肝要ですし、知識は重要です。自分が苦手だと思っていた分野でも、勉強してある程度の理解を得る必要があります。思いがけず、新しい興味の対象が見つかることもあります。普段からアンテナを張りめぐらして、様々な出来事に関心を持って研究する姿勢が役立ちます。興味、好奇心だって十分な動機になります。相手のパーソナリティーを感じ取る懐も、一つの要素です。

 

通訳という職業には、多面的な感性が関わっているのです。それを味わうことができれば、おそらく長く、この仕事を続けることもできると思います。

 

継続は職業の重要な要素です。仕事が毎回満足のいくものとは限らない中で、それにも怯まずに続けること。そのためにはしっかりした動機を持って職業に臨む必要があるわけです。自分の軸足を意識して持つことは大切です。

 

もちろん、クライアントがあっての業務ですから、社会常識も欠かせない要素です。人間関係におけるスキルが役立つ場面も多くあります。通訳者の“キャラ”も仕事における要素になります。

 

通訳の訓練に関心がある受講者の皆様には、こういった言語の背景にある文化や思想にも思いをめぐらせて、経験が単なる経験に終わらないような、インタラクティブな文化の最前線を味わえるような感性を育むお手伝いをしたいと思います。

 

ダイナミックな職業に身を置くことに関心があるのであれば、通訳の勉強を始める動機は十分だと思います。

<禁無断転載>

 

 

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<加藤早和子先生のプロフィール>
南山大学卒業。特許文書翻訳、調査会社勤務を経て、アイ・エス・エス・インスティテュート同時通訳科で訓練。現在はフリーランスの会議通訳者として、医学・獣医学、薬学、バイオテクノロジー、自動車、情報通信、環境、知財、財務、デザインなど幅広い分野で活躍中。

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| ISS講師からの応援メッセージ | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第26回:丸尾一平先生(英語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「私とISSの十数年 〜思えば遠くへきたもんだ〜」

         丸尾一平先生(英語通訳者養成コース)


私がISSインスティテュート、当時のISS東京校の門戸を叩いたのは確か1998年、まだ新卒で就職した企業で会社員をしていた時分のことでした。当時、通訳の仕事に憧れのあった私は、会社に仕事でいらしていた通訳者の方が通訳技術を学んだのがISSだったということを聞いて、右も左も分からぬまま、ISS東京校の説明会に行き、そのままレベルチェックテストを受けて入学しました。

 

当初の怖いもの知らずっぷり、というよりただの勘違いっぷりは、今思い出すと赤面の至りです(笑) 帰国子女で当時は仕事でも英語を使っていたこともあり、入学してちょっと訓練すればすぐにでも仕事ができると勘違いしていた私は、レベルチェックテストの結果、一番上の同時通訳科ではなく、その何レベルも下のクラスへの入学判定が出た(当たり前です)ことにやや不満を覚え、確か教務にやんわりと判定への不服を伝えたと記憶しております。

 

入学してからは自分のできなさ加減をイヤというほど思い知らされましたが、それでも若気の至り、プロになる夢ならぬ妄想を抱いて学校に通い続け、8年をかけて何とかかんとか卒業、それ以降は講師としてずっとお付き合いいただいております。

 

まだ入学して1年ちょっとで、周り(含むISS教務)のまだ「通訳者で食っていくには早い」の声も耳に入らず、30手前で会社を辞め、無謀にも自称通訳者デビュー。折り良く、そのすぐ後にISSにOJTで、何と!インド足掛け8ヶ月出張というプロジェクト通訳の仕事を紹介いただきました。お腹を何度も壊し、帰国後何ヶ月かはカレーなんか見たくもなくなりましたが(笑) 通訳技術に留まらず、いろんなことを学び、習得することができ、大変貴重な経験となりました。その他幾つかの長期プロジェクトで仕事を頂き、幸い路頭に迷うことはありませんでした。

 

その後の社内通訳者時代もISSには何かとお世話になり、フリーランスとなった今も各方面の仕事を手配いただいております。通訳者を志してからもう少しで20年近く経つ勘定になりますが、いやあ、思い返せば本当に遠くにきたものです(笑) そして、ISSとISSインスティテュートにはその道のりを常に支えていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

 

現在では主に入門科の講師としてISSインスティテュートのお手伝いをしておりますが、日々生徒さんと接していて感じるのは、幅広くいろいろな個性を持った方々がいらして、そして熱心で素直な方々がとても多いということです。日頃講師として接していて素晴らしいなあと感じ入っております。

 

一方で、ほぼ毎回成績表に「予習復習をちゃんとやってくること」とのコメントを頂いていたような不真面目な生徒だった私が、そのような生徒さんたちに、日頃「復習は完璧に仕上げるまでやってこい」だの「語学の勉強は量こなして何ぼ」だのと申し上げているわけで本当にとんでもない話ではあるのですが、「教育とは自分のことは棚に上げることである」を座右の銘に、何とかここまで続けてきております(笑)

 

何を学ぶにしても言えることではないかと思いますが、素直に周りのいろんなことを吸収して自分の血肉とできる方が、技術の向上も早いのではないかと思います。私のような非力な講師一人が伝えられることは限られており、せいぜい生徒の皆さんの大きなスポンジをほんの少しだけ湿らすことぐらいしかできませんが、ISSインスティテュートは生徒さんだけでなく、講師陣の個性や教え方、スタイルもまた多彩です。

 

1レベルずつ進級しながら、いろいろな個性の講師からのインプットを可能な限りたくさん吸収していくことが、通訳者としての引き出しの多さにつながっていくのではないかと思います。(あるいは通訳者にはならずとも、人としての表現の引き出しの多彩さにつながるのではないかと思います)

 

フリーランス通訳の仕事の傍ら通訳学校の講師を務めていればいずれ、自分の教えた生徒さんと仕事でご一緒する機会があるのではないかと思います。今までのところ、ニアミスが数回ありましたが、まだそのような機会は実現していません。実のところ自分の化けの皮がはがれてしまう不安も無きにしも非ずなのですが(笑)、やはり講師としてはそんな「再会」もまた楽しみにしつつ日々教壇に立っております。

 

講師業も早9年目となりますので、そんな日もそう遠くないような予感がします。

 

こちらをお読みいただいている皆様とも、教室や仕事の現場でまたお会いできますように!

 

<禁無断転載>

 

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<丸尾一平先生のプロフィール>
小学校から中学校にかけて4年半をニューヨークで過ごし英語を学ぶ。大学卒業後、日本の外資系メーカーにて、多国籍プロジェクトに携わる。1998年よりアイ・エス・エス・インスティテュートにて通訳訓練を開始。1999年に同社退社後、7年間の社内通訳経験を経てフリーランス通訳者に。現在はフリーランス通訳者として、IT、金融(IR含む)、電気通信、エネルギー、自動車、ウィスキー製造業など幅広い分野で活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは入門科レベルを担当(執筆当時)。

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| ISS講師からの応援メッセージ | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第25回:藤岡みどり先生(英語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「とにかく始めてみよう」

         藤岡みどり先生(英語通訳者養成コース)

 


<とにかく始めてみよう>


次の中であなたの今の気持ちに近いものはありますか?

 

 崢面に自分が向いているか分からない」   
◆岷儻譴蝋イだけど上達しない」    
「通訳訓練に関心がある。でも自信がない」  

ぁ岷儻譴鬚發辰閥砲瓩燭ぁ

ァ崋蠅某Δ鬚弔韻燭ぁ

Α嶌の実力では授業についていけないかも」

 

一つでも当てはまるものがあるなら、ISSインスティテュートでの受講をオススメします。受講開始は早いに越したことはありません。今を逃すと、実力アップのスタートが早くても次の開講時、つまり半年後になってしまうからです。


実は、 銑Δ蓮△つて私が抱いていた気持ちでした。そして私自身が出した結論は「受講してみなければ分からない」でした。


初めての授業日のことを今でもはっきり覚えています。あまりの緊張で、開始時刻の1時間半前に学校に到着、教務スタッフに案内された、まだ誰もいない教室の端の席に座り、授業日程表を眺めて焦りはじめ、思いつく言葉を慌てて持参した辞書で確認していました。


初回こそ緊張していましたが、その後講師陣のきめ細かい指導のもと、様々なトピックを扱った教材での勉強は面白く、毎回の授業が楽しみでした。自宅で行う予習でさえ楽しくて仕方ありませんでした。


自分の力に合ったクラスに入ったことも無理のないスタートを切る要素だったのでしょう。ちなみに私は通訳コースの一番下のクラスからの開始でした。


ISSインスティテュートの通訳コースでは、各レベルに合った教材と教授法が採用され、半年が1学期です。プロの通訳者になるためのスキルを様々な教材を通して学んでいくよう構成されています。入学当初、通訳者になるつもりは全くなかった私が、受講を続けるうち、次第に通訳者を目指す気持ちを持つことになったのも、巧みなカリキュラムのおかげだったのかもしれません。また講師からのアドバイスやクラスメートとの交流も、充実した時間を過ごせた理由の一つだったと思います。

 

<壁を乗り越える方法>


「通訳の勉強で最も難しいことは何ですか」と尋ねられたら、「継続すること」と私は答えるでしょう。


訓練とは、自分が立っている場所よりも常に高いところを目指すことです。自分の実力不足を直視、認識し続けなければいけません。いつも不完全な自分とつきあうのはかなり辛いことです。


では、その壁はどう乗り越えたらよいのでしょうか。続けるのが辛い時どうしたらいいのでしょうか。ここで三つの提案をしたいと思います。


(拔のスタイルを変える


今の勉強法を変えてみましょう。勉強の内容そのものでもよいですし、勉強時間でも場所でも構いません。何かを変えること。それだけです。新しいスタイルでの勉強が少しでも「面白い」と感じられたら、成功です。やってみてください。


通訳者にとって集中力は重要な要素の一つです。「面白い」ものには自然と集中できるのです。集中できたらそれで効率よい勉強が可能になります。ちょっとした小さなことで構いません。その小さな変化が大きな転換期となるのです。

 

一冊音読


面白いと思える本、興味のある分野の本を一冊選び、音読してみましょう。英語でも日本語でも構いません。意味の分からない単語や表現にぶつかっても、辞書等で随時調べず、音読のペースを落とさないように読み進めてみてください。


私が受講生だった時、解剖学の英語教材を使用した授業で、原文が全く聞き取れず、かなり落ち込んだことがありました。日本語なら全て理解できるような、基礎的な内容であっただけにショックでした。予習として体の部位や臓器の名称の単語をリストを作って頭に入れていたにも関わらず、全く何を言っているのか分からなかったのです。


たまたま書店で、米国の大学医学部の学生用の、分厚い解剖学の教科書が目に付き、それを購入。ただひたすら音読をしたのです。3ヶ月後音読完了。結果、英語の文章が気持ち悪いほど理解できるようになっていました。大量の英文を集中的に音読するうちに、動詞の使い方が自然と身に付き、体の部位や臓器を表す名詞が文の中できれいに繋がって聞こえたのです。この時、理解とは単語単位ではなく、文なのだと確信しました。

 

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あなたはどんな目標をお持ちですか?


一つのことを継続するにはそれなりのしっかりした理由が必要です。中長期的な視点で目標をきちん定めること。「進級」や「期末テスト」は自分の尻をたたく、短期的な目的にはなると思いますが、それだけでは高い壁を乗り越える力にはなり得ないと思います。


敢えて「大きな目標」を立ててみましょう。具体的な期限を設けるのもよいでしょう。


私の場合、入学して1年くらい経った頃だったか、クラスメートには言えませんでしたが、密かに「??歳までにプロになる」と心に決めていました。

 

明確な目標設定は、自分が進む先に見える山の頂です。道に迷った時に見上げる大切な場所。是非考えてみてください。今後も自分自身の受講生としての経験を踏まえ、皆さんを支えていけたらと思っています。

<禁無断転載>

 

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<藤岡みどり先生のプロフィール>
高校時代のアメリカ留学を経て、東京外国語大学卒業後、商船会社、外資系企業に勤務。アイ・エス・エス・インスティテュート同時通訳科を経て、現在はフリーランスの通訳者として国際会議からアーティストのアテンドなど幅広い分野で活躍中。主に入門科、基礎科レベル、通訳訓練を応用した英語力強化クラスを担当。

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| ISS講師からの応援メッセージ | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第24回:成田あゆみ先生(英語翻訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「一流の人は謙虚である -それをいつも再確認できる場所」

         成田あゆみ先生(英語翻訳者養成コース)

 


ISSとの出会いは1997年にさかのぼります。当時、大学院で行き詰まっていた私はある日、「このままではいけない。1年だけ翻訳者になるための勉強をしよう、それで芽が出ないなら他のことを考えよう」と思い立ち、朝日夕刊の広告欄を見ながら3校の翻訳学校に資料請求を行いました。そのなかで最初に資料を送ってきたISSと、2番目に送ってきた某に申し込み、半年間は2つの翻訳学校に通い、2期目からはISS一本に絞りました(その理由はのちほど)。


ISSインスティテュートは当時「ISS通訳研修センター」という名称で、翻訳コースは翻訳事業部(当時)の小会議室が教室でした。ワープロで訳文を作成してファックスで提出、ネットはなく、電子辞書は出始めたくらいの時代です。今より英語も実務翻訳の世界も、世間にとって謎に包まれていました。


クラスメートと一番町から四ツ谷駅まで歩きながら「一体どうやったら仕事がもらえるんでしょうね?」と語り合ったものです。お金はなく、先の見通しもなく、でも妙に高揚感のある日々でした。

 

1期目の途中で、翻訳事業部のチェッカーの方に声をかけて頂き、初めてOJTのお仕事を頂きました。なにしろ正社員経験のない大学院落ちこぼれの私です、打診の電話を頂いたときは、こんな私でも人さまの役に立てることがあるのだと、受話器を置いてからわんわん泣きました。


OJTの内容はスクリーン印刷に関する社内報の翻訳でした。検索というもののない当時のこと、スクリーン印刷の用語を調べるのは大変で、「印刷用語英和辞典」5000円を思い切って買ったりと四苦八苦しました。こうして私の仕事人生は、それが始まったという自覚もないまま、就活も新人研修も経ずに動き出しました。


今もチェッカーさんの赤の入った当時の訳が手元にあります。やたらと気合いの入った若い訳です。

 

2期目の途中で、受講生に回ってきた求人募集広告に応募し、派遣翻訳者に。数年間、いくつかの会社に社内翻訳者として勤務した後、派遣事業部(当時)の方が翻訳事業部につないでくださり、初めて実務翻訳の案件を頂きました。幸いにもおめがねにかなったようで、以後フリーランスになり、現在に至ります。その後ほどなくして、講師の仕事も頂くようになりました。

 

おかげさまで、講師歴も気付けばかなり長くなりました。ここ数年、受講生の方々のスタンスがずいぶん変わったように思います。昔は英語力をステータスのあるアクセサリーのように捉えた「労せずお洒落に、他人から羨まれる仕事をしたい」人、あるいは英語で百戦錬磨の仕事歴がある方が「まあ翻訳で小遣いくらいは」というケースが少なくありませんでしたが(このようなスタンスではとても務まらないくらい、実務翻訳は地味でハードな仕事です)、最近は「年を取っても長く続けられるようなスキルを身に付けたい」という方が増えているように思います。一生自活していくには今何をすべきか、真剣に考え、少しずつ動いている方が多く、とても励まされています。

 

ISSインスティテュートの講師の方、そして教務スタッフの方々は、翻訳技術をステータスではなく、職人技術ととらえています。その姿勢に応えなければと、ある時は目一杯背伸びをし、ある時は引っ張ってもらってここまで来ました。実は某で「ある一流ホテルのフレンチの料理人は、技術を盗まれないよう、鍋に洗剤を流してから皿洗い係に渡すのよ」と皮肉を言われましたが、ISSではむしろ、日本の通翻業界のトップパフォーマーの仕事ぶりを折に触れて垣間見ることができました。一流の人は惜しみなく与え、そして謙虚である。それをいつも再確認できることが、ISSとの縁が長く続いた最大の理由だと思います。

 

教室で出会った受講生の方が翻訳者になるケースも次第に増えてきました。自分より少し若い翻訳者の真摯な姿勢からも、この仕事に就く者のあるべき姿を教えてもらっています。

 

自分なりの行き詰まりを経て転向し、「こんな私でも」の思いだけで突っ走ってきた…私のISS人生(?)を総括するとこんな感じになります。振り返ると勢いだけは人一倍ありました。


組織に属する機会を逃したまま、翻訳という引きこもり系の仕事に就いてしまった私にとって、ISSで出会った方々――翻訳者や講師仲間、受講生の方々、そしてコーディネーターやスクールの教務スタッフの方々は、変化を続ける翻訳業界において立場の違いを超えて支え合ってきた”同志”と呼べる存在です。ここは同志の縁が驚くほど長く続く、不思議なスクールです。

 

これからもISSがそのような場所であり続けることを願います。そして、同じ志を持つ方と、教室で新たに出会えることを楽しみにしています。

<禁無断転載>

 

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<成田あゆみ先生のプロフィール>
1997年ISS通訳研修センター(当時)入学、派遣翻訳者を経て、2000年よりフリーランス英語翻訳者。アイ・エス・エス・インスティテュート英語翻訳者養成コース講師。

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| ISS講師からの応援メッセージ | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第23回:七海和子先生(中国語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「『やってみよう!やってみたい!』とISS」

         七海和子先生(中国語通訳者養成コース)

 

 

現在はフリーで通訳・翻訳をしておりますが、私もかつてはここの生徒でした。ISSで多くのことを学び、得難い友人と出会い、そして今はここで講師をしていることに不思議な縁を感じています。

 

私がISSに行ってみようと思ったのは、無料体験レッスンがきっかけでした。それまで語学学校に通ったことのなかった私は「ついていけるか」「雰囲気になじめるか」その他諸々の不安でいっぱいでした。が、授業の内容が豊富で面白く、恐れていたスパルタ授業でもなく、とにかく「楽しかった!」という印象しか残らなかったのです。そこから、「できるかな」から「やってみよう!やってみたい!」と心は動き、今に至ります。

 

その後、基礎科2→通訳科1→通訳科2へと進みますが、授業となれば楽しいばかりではありません。授業で良いパフォーマンスをしようとすれば、予習・復習・十分な事前準備は欠かせません。先生やクラスメートの前では良い訳出を披露したい、という若干の虚栄心もあります。でも、できない。そんなジレンマに苦しんだことも多々ありました。

 

しかし、ISSの講師陣の熱心さ、内容豊かな教材、向上心旺盛なクラスメートに支えられ、ISSに在籍していた期間は、授業そのものが、そして中国語だけでなく、学習することが本当に楽しかったのです。


本来飽きっぽい性質の私が、なぜやる気を持続させることができたのでしょう。それは、ISSのキャリアサポートと授業カリキュラムにあると思います。

 

まずはOJT制度。これは日ごろの学習成果をビジネスの現場で実践できる機会です。私も通訳科1在籍中に経験しました。それまで、授業には毎回現場に行くつもりで臨んでいました。つまり、自分で十分だと思える準備をし、授業当日は仕事の現場とみなし、臨場感を持って通訳をするようにしていたのです。が、やはり本当の仕事の現場は雰囲気が違います。私のOJTはテレビ局の中国人観光客への街頭インタビューの通訳だったのですが、いつもと違う環境、テレビ局スタッフとの協調、知らない方へのお声がけなど、教室では味わえない現場の醍醐味を実感しました。この時、事前準備がドンピシャリで、すべてが初めてづくしだったにも関わらず、あまり緊張せずに通訳することができ、授業の実用性の高さを改めて認識しました。通訳の現場に触れたことが大きな刺激となり、更に良いパフォーマンスを目指そうと、その後も気が緩んだり、中だるみすることなく授業に臨むことができました。

 

次に授業カリキュラム。私は通訳科2終了後、もっと中国語の構成力を高めたいと思い、翻訳コースを履修しました。この授業も非常に実践的で私にとって収穫が大きいものでした。必要な授業を必要な時に選択できることもISSの大きな魅力でしょう。

 

今は講師として、受講生の前に立っていますが、皆さんの積極的な授業態度が印象的です。授業前に自主的に勉強会を開くなど、お互いに助け合って学習していく姿勢をとてもうれしく思っています。この勉強会、私が在校しているときもやっていました。中国語母語と日本語母語の生徒でお互いに発音を直したり、訳出の工夫をしたり、成語の問題を出し合ったり。また、通訳には幅広い知識が必要だからと、日本史の勉強もしていました。この勉強会は今でも懐かしく思い出されます。みんなで成長していこうとするのはISSの文化なのでしょうか。とてもすばらしいことだと思います。

 

現在、通訳も翻訳もしておりますが、どの仕事でも基本になっているのはISSで学んだことです。常に現場を意識した授業構成のおかげで、今の仕事ができているのだと感じています。

 

さて、私の拙文をお読みの方の中には、これからISSで学習を始めてみようかと考えている方や、すでにISSで学習中の方もいらっしゃるでしょう。迷っている方、とにかくここで始めてみませんか!私の文章では、ISSの魅力は存分に伝わらないかもしれません。でも、ここは、学ぶ楽しみがぎっしりつまったところです。あなたも是非、体感してください。

 

そして、現在学習中の皆さん。私は語学の勉強は終わりのないトライアスロンだと思っています。皆さんもご存知の通り、トライアスロンはバイク・スイム・ランのどれかで息切れしてしまっては全距離を走りきることができません。通訳・翻訳の勉強も同じです。語学だけではだめで、幅広い知識がないと的確な訳出ができません。通訳・翻訳の学習とは、多岐に渡る学習や努力が必要な耐久競技なのです。皆さんも、私たちと一緒にこの長いレースを走っていきましょう。つらくなったらペースを落としてもかまいません。やめないことが大切なのです。そんな皆さんの道標、あるいは伴走者になれれば幸いです。

 

<禁無断転載>

 

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<七海和子先生のプロフィール>
駒澤大学文学部国文学科卒業。大学卒業後、出版社勤務を経て、日本の物流会社の北京事務所にて自動車物流、倉庫管理を担当。アイ・エス・エス・インスティテュートで通訳訓練を受け、現在はフリーランスの通訳者・翻訳者として稼働。アイ・エス・エス・インスティテュートでは基礎科2レベルを担当。

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| ISS講師からの応援メッセージ | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第22回:豊田実紗先生(英語翻訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「丁寧に訳すこと」

         豊田実紗先生(英語翻訳者養成コース)

 

 

大学院でフランス語や英語の判例や法律文献を読む機会が多く、当時から法律そのものよりも、外国語の文章を読むことがとても好きでした。当初は法律系の仕事に備えて複数の資格を取得しましたが、どうしても納得がいきませんでした。「私はいったい何をやりたいのか?」と自問自答した結果、自分自身がやりがいを持てて一生できる仕事は、語学に関わる仕事だ、と気づきました。色々と調べてみると、これまで文芸や映像のイメージが強かった「翻訳」に、法律などのビジネス分野に関わるプロの翻訳者さんが数多くいらっしゃることを知りました。もともとの知識のある法律系の翻訳ならば、これから訓練してスキルを磨いていけば仕事ができるかな、と思い、翻訳学校の実務翻訳の講座で学習を始めました。

 

翻訳会社のトライアルにも、翻訳講座を受講している最中から、どんどん応募していきました。たとえ合格できなくても、翻訳業界で実際に取り扱っている文書を垣間見ることができて、とても勉強になりました。トライアルは、回数を重ねるごとに自然と徐々に慣れていくので、やはり勇気を出して応募していくことが重要だな、と当時を振り返って、そのように感じます。私がはじめてトライアルに受かったのは、実務翻訳の上級コースの受講中のときでした。京都の文化や寺社仏閣などについて外国人観光客向けに英訳するプロジェクトがあり、その英訳の翻訳者を募集していたので、そちらに応募しました。実はこのトライアルでは「翻訳者としては一定レベルに若干、達していなかった」という評価でした。しかし、相当惜しいレベルだったようで、そちらの翻訳会社さんから「よかったら翻訳前の準備作業(日本語文の固有名詞や動詞などに見合った英単語を探してデータベース化する作業・単語調査)をしませんか?」と、お声をかけていただきました。もちろん、私は「ぜひやらせてください!」と即答しました。

 

このお仕事が実績に加わったことで、その後、他の翻訳会社の翻訳チェッカーや翻訳者のトライアルに合格して、在宅フリーランスの翻訳者や翻訳チェッカーとして登録できることが、急激に増えました。仕事の内容も、当初は翻訳チェッカーとしての細かい仕事が多かったものの、徐々に短めの文章から翻訳作業を依頼されるようになりました。やはり、些細な仕事も断らないでコツコツ丁寧にこなしていけば、自然と新しい大きな仕事に繋がっていくのだと思います。

 

私は今現在、ISSインスティテュートの翻訳講座の講師として、おもに契約書の翻訳や翻訳チェックの講座を担当しております。

 

生徒さん達はとても真摯な態度で、一生懸命に授業に臨んでくださっています。そのため、皆さんの熱心で真剣な様子を感じながら講義を進めていくことができて、いつも私自身が皆さんの積極的で情熱的なパワーからエネルギーをいただき、とても感謝しています。課題も毎回、とても真面目に取り組んで課題を作成・提出してくださっています。実際に翻訳の仕事をすると提出期限厳守となるので、日頃から提出期限を守ることを気にすると、自分で予定や計画を立てる力が育っていく気がします。これは実際に在宅フリーランスとして翻訳の仕事をするうえで重要なことです。

 

私は、いつも生徒さん達に「適切な語句を用いながら、原文に忠実に訳すこと」が大事、とお話しています。難しいことですが、それには「丁寧に訳すこと」が必要となります。「丁寧に訳そう」と心がけてみるだけでも、相当改善できます。実際に仕事をし始めると、どうしても納期に追われてしまい、ひとつひとつの作業が雑になりがちです。そのため、翻訳を勉強している段階から早めに習慣づけておくことを、お勧めします。常に丁寧に取り組みながら翻訳作業をしていけば、必ずご依頼主や翻訳会社から信頼していただけて、仕事の依頼も増えていくはずです。

 

翻訳の勉強をしている最中は、どうしても壁にぶつかってしまうことが何度もあります。思うように上手に訳すことができない、翻訳会社のトライアルに合格できないなど、悔しい思いをすることが多いかもしれません。そういった際には、翻訳の勉強を始めた当初の「なんとしても翻訳の仕事をしたい!」といった熱い気持ちを思い出してみてください。

 

常に努力しながら自分自身を信じて、一歩ずつ前進していくことが大切です。

 

実際に翻訳の仕事をしてみると、やりがいのある、社会のお役に立てる仕事だなと、実感できることが多いです。私自身も、常に努力して翻訳スキルを磨きながら、翻訳の仕事を一生続けていきたいと思っています。受講生の皆さんと一緒に、翻訳を勉強することができるのを、今後も楽しみにしています。

<禁無断転載>

 

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<豊田実紗先生のプロフィール>
青山学院大学大学院 法学研究科(フランス法専攻)修士課程修了。法律関連の資格を複数取得した後、それらの知識を活かしつつ語学に関する仕事に就きたいと決意し、翻訳学校にて実務翻訳の講座を受講。現在は、在宅フリーランスの翻訳者として、おもに法律文書・行政分野を中心に、その他、経済・金融、観光・文化芸術分野などの翻訳に携わっている。アイ・エス・エス・インスティテュートでは、法務翻訳や翻訳チェッカートレーニングクラスを担当。

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| ISS講師からの応援メッセージ | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」第21回:徳久圭先生(中国語通訳者養成コース)

 

 

 

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

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「知的好奇心を刺激される仕事」

         徳久圭先生(中国語通訳者養成コース)

 


私はかつてISSインスティテュート東京校で、通訳者になる前となってからの二回、通訳者養成コースに通いました。東京都内には日中・中日通訳の訓練を行っている民間の通訳者養成学校が三つありますが、実はそのすべてに通った経験があります。現在ISSで授業を担当している立場の私が言うと単なる「身内びいき」になりますが、それでも当時、通訳の訓練機材が一番充実していて、講師の先生方や教務スタッフの皆さんが一番親身になって生徒を応援してくださったのは、やはりISSだったという印象が残っています。

 

通訳者としてのデビューも、ISSの人材派遣事業部(当時)からお声がけを頂いた台湾への長期派遣案件でした。都合三年近い時間、日本企業がプラントの建設を行っていた台湾のエネルギー関連企業で働きましたが、文字通り朝から晩まで通訳と翻訳ばかりしているという、「駆け出し」の通訳者としては願ってもない(そしてクライアントに対してはいささか申し訳なくもある)環境で、ずいぶん鍛えられました。派遣の期間中、ISSからは定期的に日本の雑誌の差し入れなどがあり、一時帰国の際にも様々なアドバイスを頂き、とても励みになったことを覚えています。

 

ISSでお世話になった恩師は、通訳者という職業を「知的好奇心を刺激される面白い仕事」だと仰っていました。フリーランスで稼働する現在、自らも日々それを実感しています。通訳者がうかがう仕事の現場は、多くの場合がその業界における「最先端」の現場です。業界の専門家が様々な国から集まり、何らかの話題を巡って話をするのは、その話題が「最先端」であるためにまだ共通の知見や翻訳書などがなく、意見や情報を交換し、議論を行うためです。けれどもお互いの言葉が通じない。だから通訳者が呼ばれるのです。

 

通訳者はそんな現場で、まだ世の中には知られていないような「最先端」の内容を目の当たりにし、人類が営々と積み上げてきた知の「最先端」に立ち会うことができます。もちろん通訳者には守秘義務がありますので、それを他人に伝えることはできませんが、そんな現場に立ち会えるのは通訳者の「役得」であり、とても知的好奇心を刺激される仕事だというわけです。

 

もちろん「最先端」ゆえに、困難も数多くつきまといます。話し合いの現場に出席しているのは、その業界の専門家ばかり。でも通訳者は全くの門外漢なのです。もちろん事前に準備と予習を重ねて仕事に臨みますが、その業界の専門家に知識でかなうはずがありません。そんな門外漢である通訳者がしかし、「最先端」の話題が飛び交う現場の一番前に進み出て、その内容を二つの言語を使いつつ専門家に向かって話さなければならないのです。

 

ゆえに仕事の前には極度の緊張に晒されますし、逃げ出したくなることもしばしばです。それでも現場に向かうのは「知的好奇心」が恐怖に勝るからであり、そんな現場に立ち会って、最新の知見をやりとりする双方の橋渡しができることに大きな喜びを感じるからです。

 

ぜひISSインスティテュートでの訓練を足がかりにして、この刺激的な世界に飛び込んでいただきたいと思います。私もまだまだ「駆け出し」ですが、諸先輩方を見習い、精進を重ねたいと思っています。

<禁無断転載>

 

 

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<徳久圭先生のプロフィール>
大学卒業後、サラリーマンを経て中国に留学、その後アイ・エス・エス・インスティテュート中国語通訳者養成コースで訓練を受け、社内通訳者等の経験を積み、フリーランスの通訳者・翻訳者に。アイ・エス・エス・インスティテュートでは通訳科1レベルを担当。

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