通訳・翻訳養成学校のISSインスティテュートでは、キャリアにつながるプロの語学力を養成します。

ISSスクールブログ

アイ・エス・エス・インスティテュートが運営しています。


ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第20回: 寺田容子先生(英語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

-------------------------------------------------------------------

 

「勉強を楽しんで!」

         寺田容子先生(英語通訳者養成コース)

 

 

ISSグループ創業50周年をきっかけに、自らの生徒時代をしみじみ振り返る機会を得ました。そもそも私には、放送への興味も無ければ、通訳になるつもりも全くありませんでした。なぜ通訳学校の門を叩くことになったのか。それは「英語の勉強に役立つだろう」程度のことを考えたからでした。その時、曜日の都合でたまたま選んだクラスがISSに当時開講されていた放送通訳クラスだったのですが、この偶然がきっかけとなり、放送の世界を志すことになりました。普通は順番が逆なのでしょうね。

 

実践的な訓練を繰り返す授業の中で、訳すこと、話すこと、放送通訳という分野の面白さに魅了されていきました。授業でのパフォーマンスは的外れな間違いだらけで、恥ずかしい思いをすることも多々ありましたが、その緊張感がかえって心地よく、毎週授業に通うのが楽しみでならなかったことを今でも覚えています。

 

現在は逆の立場、緊張感を与える方にまわっています。こちらが課す厳しい課題に真剣に応えてくださる受講生の皆さんの姿勢は、私のインスピレーションの源であり、常に元気を頂いています。

 

放送通訳という分野は、海外のニュースを日本国内で放送する際に外国語の元音声にかぶせて日本語の音声を発信する仕事です。一般的なイメージの通訳とは異なる特殊性があると言われますが、そのひとつが同時通訳中のブレーキングニュースでしょう。テロ、事故、訃報、もちろん明るいニュースなど、話題にもよりますが、報道機関が速報で伝えるということは、それだけ重大性もあるということ。一層の集中力と、普段の勉強が試される、抜き打ち試験のようなものでして、恐怖の瞬間でもあり、醍醐味であると思います。

 

もうひとつ、特徴と言えるのが、公共の電波に乗せても支障のないデリバリーが求められる点です。滑舌、話し方、声の調子など、プレゼンテーションの時点で気を配らねばならぬことが多々あります。何より、視聴者の役に立つパフォーマンスを心がけたいものだと思います。

 

ただ、どのような形態の通訳でも、“聞き手の立場に立つ”という点が大切なことに変わりはありません。授業を受けている時は、とにかく、聞き取ろう、正確に訳そう、ということに没頭してしまい、話し方にまで気が回らない方が多く見受けられますが、英日にしろ、日英にしろ、訳文は素晴らしいのにデリバリーがいまひとつ…というケースほど、もったいないなぁと思うことはありません。

 

では、一体どうすればよいのか?色々対策は考えられます。まずは自分のパフォーマンスを自分で聞いてみてください。自分の声を録音したものを聞くのは、気恥ずかしいし面倒くさいかもしれません。でも、“聞き手の立場に立つ”一番手っ取り早い方法です。是非、お願いしたいと思います。

 

一方で、教えているこちらの方が羨ましくなってしまうほどの、表現力をお持ちの生徒さんにも、数多く出会います。クラスの中で、自分が働く現場で、文学や芸術、感情の機微を繊細な表現で置き換える方を見ると、惚れ惚れしてしまいます。「私なんかもはや仕方がない」「言葉のセンスは生来の才能だしね」「いやいやあきらめてはいかん」などと思うこともしばしばです。

 

現在、すでに通訳の勉強をなさっている皆さんは、続けていていいのかと、また、通訳に興味を持っている皆さんは、始めようかどうしようかと、迷うことがあると思います。不安や躊躇があるのも当然のこと。私自身は、この道と決めて迷いが消えたのは、最初に通ったクラスで感じたワクワクがあったからでした。才能があるわけでなく優等生でもなく、先生には随分お手数をおかけした生徒だったとは思いますが、とにかくスリリングで楽しく、凡ミスの羞恥心を吹き飛ばす(?)爽快感がありました。今は、それを日々の仕事の中に感じながら、プレッシャーを吹き飛ばしています。通訳訓練を経験する中で、そんな高揚感を共有していただければ、嬉しく思います。

<禁無断転載>

 

-------------------------------------------------------------------


<寺田容子先生のプロフィール>
フリーランスの放送通訳者として、CNN、BBC、NHK衛星放送等、テレビ放送での同時通訳および時差通訳を中心に活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは主に基礎科・プロ通訳養成科1レベルを担当。

 

-------------------------------------------------------------------

 

 

| ISSインスティテュート創立50周年記念 | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第19回: 辻直美先生(英語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

-------------------------------------------------------------------

 

「ISSとのつながり 〜これまでとこれから〜」

         辻直美先生(英語通訳者養成コース)

 


十数年以上前に遡りますが、当時は正社員として金融機関の社内通訳を務めながら、たまたま近くに学校があり、通いやすい場所にあったISSに通学を決めました。フルタイムで働きながらの通学は、余暇時間をほとんど勉強に充てなければならず、週末も休めないタフな日常でしたが、仕事にも直結してキャリアアップにもなるというモチベーションも働いて厳しいながらもなんとか数年間通学を継続することができました。他の通訳学校にも短期間籍を置いた時期がありましたが、ISSで長く続けられたのは、教務の方々の細やかなフォローと学校のアットホームな雰囲気が、緊張感のある授業との絶妙なバランスだったからではないかと思います。

 

基礎科2(現プロ通訳養成科1)のレベルから入りましたが、通訳科(現プロ通訳養成科2・3)から同時通訳科と進級するにつれて、課題の量も倍増して復習が追い付かなくなる週も出てきました。上のレベルにいくにつれて、通訳のプロとして稼働しているクラスメートも増え、刺激となる一方でプレッシャーも高まりました。数年間通っていると、徐々に惰性で通っているのではないかと疑問に感じ始める時期が来るのですが、その辺りからが、自己満足で終わるのか、本当に自分に厳しくキャリアの礎を築けるのかの分かれ目かもしれません。振り返ってみると、当時医学関係の基礎用語を一通り教材でカバーされていたことや、相当量のサイトラの課題を授業でこなした経験が貴重でしたし、当時のクラスメートや先生方と現場でお会いする機会もあり、いまだに学校時代に築いた財産の有難みを感じています。

 

 私は、社内通訳としていくつかの業界での経験を積んだ上で、30代半ばにフリーランスとして独立しましたが、会社員として培った経験や人脈は確実に今も役立っていると感じます。機が熟するタイミングは、人それぞれ。焦りを感じた時期もありますが、その時が来れば自然の流れで自分が納得する決断ができるはずです。

 

 通訳でなければ体験できなかったこと、出会えなかった人達、行くはずもなかった場所がたくさんあり、この仕事に就いて本当に幸せだと常々思います。一方で、フリーランスとして独立すると、全ては自己責任。会社員時代と違って誰も守ってはくれません。自己管理能力、対人能力、社会性やマナー、多少嫌な目にあってもめげない精神力などいろいろな要素が求められる仕事だと思います。また社内通訳との違いは、突発的な状況への対応力、その時々の業界やお客様のタイプによって毎日異なる状況判断が求められる点も挙げられます。

 

 講師として、またISSにお世話になるようになってから、違う視点も生まれました。受講生の皆さんの前向きな姿勢や、向学心に刺激を受けることも多々ありました。教える立場になってからの方が学ぶことが  多かったように感じます。通訳業務は目に見える形で残ることはほとんどありませんが、次世代を担う受講生の方々に少しでも自分の体験・知識を伝えていけたら幸いです。これから2020年のオリンピック開催、観光立国の推進に向けて益々訪日外国人が増えることが見込まれ、通訳需要もここ数年また持ち直しているように感じます。これからの5年間は、独立されて間もない通訳の方々にも新しい分野での経験を積む好機になると思いますので、是非このチャンスを逃さずに様々な分野実績を積み上げていただきたいと思います。

<禁無断転載>

 

-------------------------------------------------------------------


<辻直美先生のプロフィール>
ロータリー財団奨学生としてペンシルバニア州立大学大学院にてスピーチコミュニケーションの修士号取得。帰国後外資系金融機関等の社内通訳を務めながら、アイ・エス・エス・インスティテュート東京校に学び、フリーランスの通訳に。通訳実績は多岐にわたり、経済、金融、不動産、航空、特許分野以外にも内閣官房長官プレスコンファレンス等を担当。2006年よりアイ・エス・エス・インスティテュート東京校、横浜校にて主に基礎科レベルを数年間担当。

 

-------------------------------------------------------------------

 

 

 

| ISSインスティテュート創立50周年記念 | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第18回: 塚崎正子先生(英語翻訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

-------------------------------------------------------------------

 

「翻訳で求められる、あなたの人間力!」

         塚崎正子先生(英語翻訳者養成コース)

 

 

私が講師の仕事をするようになったのは、ひょんなことがきっかけでした。

 

大学時代に英語を専攻していた私は、卒業後、電機メーカーの海外部門に配属され、社内翻訳を経て、フリーランスの実務翻訳者となりました。その後、ISSに登録をし、現在に至るまで仕事を頂いています。

 

そんな中、とある日、ISS社内のエレベーターでたまたま、当時の私の担当コーディネーターと、スクール担当者が乗り合わせて、講師を探しているとの話が出たそうです。コーディネーターの方は私が英語の非常勤講師をしていたことを思い出し、話をつなげてくれました。

 

それが2003年のことでした。思いもかけぬ形で引き受けたこの仕事ですが、性に合ったのか、気が付いたら今年で13年目、担当した受講生も延べ250人から300人!!

 

そんな中でも特に印象に残った方々のお話をしたいと思います。

 

ある年、受講生の中に、メーカーを定年退職されたばかりの男性がいらっしゃいました。横浜校の受講生の典型的なパターンは契約社員なり正社員なりで働いている30歳前後の女性で、男性は年に数名程度しかいませんでしたので、かなり目立っていました。さらにその方は、受講されるまでメールやインターネットの経験がほとんど無きに等しかったようです。今でこそ、課題提出はメール添付が必須ですが、当時はまだファックスなどによる提出も認められていました。確か、最初の頃は、毎回、手書きの原稿を持参されていました。もちろん、翻訳作業に伴うインターネットを使っての調べものもできませんでした。

 

そんな状態で始められたものの、その後、翻訳の勉強と並行してPCのスキルを習得し、インターネットを駆使できるようになりました。文字通り、第二の仕事生活の始まりでした。翻訳者に定年はありません。60歳を過ぎてからでも遅すぎることはないと思います。それまでに培った経験や知識を活かせるのが、翻訳だと思います。

 

また、私は通常の春期と秋期のレギュラーコースのほかに、夏と冬に短期コースを担当していますが、ある年のサマーコースは、かなり異色でした。10人くらいの受講生の中に、リーダーシップをとる方が複数いらしたこともあったと思いますが、なぜかこのメンバー、わずか2回の授業、トータル6時間の間にすっかり意気投合していました。2回目の授業は、お互いに活発に意見交換し、こちらもすっかり乗せられて、かなり濃密な授業になった記憶があります。さらに終了後には打上げをし(私も声をかけていただき、ちょっと顔をだしました)、その後も交流は続いていたようです。

 

翻訳者として仕事をしていく際は、原則的に自己解決の世界です。自分の翻訳が良かったか、悪かったか、他人はどんな翻訳をしているのか、ほとんど分かりません。自分が信じることを、自分なりの方法で進めていくしかありません。

 

ですから、まだ翻訳を勉強中の段階で多様な人と関わり合いを持って、他人はどのようだとか、自分の翻訳はどこが良いのか、悪いのかを、知ることはとても貴重な経験です。そういう意味で、このサマーコースの受講生の方は皆さん、非常に刺激的な時間を共有し、翻訳を勉強していく上での財産を得たのではないかと思います。

 

10年以上にわたり受講生の方を見てきて、私がアドバイスできることとして、これから翻訳の勉強を始めようと考えている方は、まず、社会人としての一般常識、経験を大切にしてください。翻訳のソース言語となる英語や日本語は、必ずしも分かり易いもの、論理だったものではありません。それを自分の中で十分に消化して、ターゲット言語に翻訳していく際に役立つのが、語学力に加え、その人が持つ経験や知識です。ネットで調べれば大丈夫と、思われるかもしれませんが、調べてもそれを活かせなければ意味がありません。経験や知識こそが、ソース言語の行間を埋めてくれます。

 

次に、スクールに通い始めたら、講師はもちろん、受講生仲間と大いにコミュニケーションをとりましょう。仲間といっても、性別や年齢、バックグラウンドが違うと、思ってもみなかった視点を得ることができます。また、英日翻訳なら用いる日本語が違ってきます。上でお話しした定年退職後の男性。こちらがハッとするような言葉を使われることがありました。そんな時、私は講師をしていてラッキーと思ってしまいます。

 

最近は受講生専用のメーリングリストがあり、クラスによっては情報交換も活発のようです。縁あって5か月間、一緒に勉強する仲間なのですから、ぜひ活用してほしいですね。

 

翻訳は非常に人間くさい仕事だと思っています。だから何年やっても面白いのかもしれません。ぜひ、一度、翻訳の世界をのぞいてみてください。

<禁無断転載>

 

-------------------------------------------------------------------

 

<塚崎正子先生のプロフィール>
お茶の水女子大学文教育学部外国文学科英文学(当時)卒業。電気メーカーに入社後、フリーランス翻訳者となる。移動体通信、コンピュータ、医用機器を中心とした分野に関する各種マニュアル、学術論文、契約書などの英日/日英翻訳を手がける。アイ・エス・エス・インスティテュートでは総合翻訳科・基礎科1&2レベルを担当。

 

-------------------------------------------------------------------

 

塚崎正子先生が担当されるサマーコースのご案内

 四葉のクローバー短期コース2017サマー
 「はじめての実務翻訳訓練」


 [横浜校] 9/2・9(土)10:00-13:15(休憩15分)(全2回)

 [インターネット] 9/3〜 9/19 スマートフォン、タブレット端末対応

 
   ※インターネットクラスの授業動画は通学クラスの方もご視聴いただけます。
      復習や欠席された際の補講用としてご利用ください。


 短期コース2017サマーは、入学金・レベルチェックテストは不要です。
 受講特典あり!クラスの詳細、お申込みはこちらから:
 https://www.issnet.co.jp/courses/e_t_short.html#feature2
 

-------------------------------------------------------------------

 

| ISSインスティテュート創立50周年記念 | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第17回: 張意意先生(中国語ビジネスコミュニケーションコース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

-------------------------------------------------------------------

 

「更上一層楼 (更に上へと)」

張意意先生(中国語ビジネスコミュニケーションコース

                         

 

ビジネスコミュニケーションコースの開講と共に、ISSインスティテュート東京校でお世話になることになり、早四年になろうとしています。毎期、新しく入学される生徒さんもいれば、ずっと継続して一緒に勉強している方もいます。大学生や社会人が大半で、忙しい勉強や仕事の合間に、中国語能力を磨き、更に仕事に役立てようと努力をされています。


皆さん中国語検定2級以上のレベルですが、更に上達しようと、語感、細かいニュアンスの聞き分けや適切な語彙の選択、ネイティブ流の表現方法、中国語の発想法や物事の考え方を身に付け、中国人と同じテーブルを囲んで同等にディスカッションできるようになることを目標としています。


大学での勉強や留学の勉強とは違い、ここでの勉強は目標、問題点をはっきりと認識し、錆びることのないよう、勉強のペースをキープするのにも有効です。

 

語学は知識ではなく、能力なので、知って終わりでは使いものにはなりません。筋トレと同じく、理論を分かった上で、毎日の鍛錬も欠かせないものです。


特に、社会人になると、ちょっとした間違いや、用語の選択などを教えてくれる人はほとんどいなくなってしまい、ただ通じているということだけで仕事をし、交流しているつもりでも、ニュアンスが違うことで、うまくいくはずの仕事がまとまらなかったり、契約できる商談が流れたりするケースも出てきます。


それに、言葉は時代と共に変化しているもので、今の世界において、漢字を使っている言葉は中国語と日本語だけですので、他の言語よりもお互いに影響し合っています。大量の日本企業やサブカルチャーが中国に進出するようにより、企業名や商品名だけでなく、合理的な日本語、トレンディーな日本語、例えば、「企画」、「営業中」、「突っ込み」などが今の中国の一般大衆の日常生活に定着するようになりました。


自分の中国語のレベルはどれぐらいなのか、どのようにすれば上達できるのか、学習方法には問題がないのか、ネイティブとどこが違うのか、なぜなのか、などの質問に回答を求めるなら、学校が最も心強いサポーターと言えます。

 

さらに、自分の人生をより充実させ、視野を拡大する人生設計においても、生涯学習が欠かせないものになってきています。自分に最適な中国語の勉強の場を求めるとき、ISSは最高の選択だと思います。


ISSをお勧めするのはまず、教室は通いやすい都心に立地し、室内は明るく清潔で、とても居心地のいい学習環境を備えています。新聞や参考書が並んでいるラウンジで休憩しながら違うクラスの生徒さん達との交流もでき、アットホームな温かい雰囲気が漂っています。


教務スタッフもとても親切で、アドバイスをしたり、質問に対応したり、いつも笑顔で接しています。


ところで、ここで強調したいのは、生徒さんの平均的レベルが高いことです。中国語には「水漲船高」、つまり水面が高ければ、自分の船が自然に高い水準に置かれるとの謂れがあります。学習の環境はとても大事だと思います。よい環境の下で、お互いに刺激し合い、相手の長所を吸収し、共にさらなる進歩を成し遂げられるものと思います。


通訳コース、翻訳コースでは、日中両国ネイティブの先生が授業を担当し、直感と論理の両面から中国語を分析しながら、理性と感性ともに磨いていくことができます。


独特の様々な修辞法など中国語の持つ美しさを味わい、重厚な文化背景を探求し、楽しく緊張感のある授業で、自分自身でも自在に中国語を操ることができるようになることを目標としています。

 

昨今、中日関係はギクシャクしており、ビジネスチャンスが減ったと言われたりもしますが、日本からの輸出額が1991年の約86億ドルから2012年の約1447億ドル、輸入額も同じ約142億ドルから約1889億ドルに増えていることは覆すことのできない事実です。


交流の規模が拡大するにつれ、摩擦も多くなってしまうのは当然のこと。その摩擦を円満に取り除くためには正確に気持ちを伝え、理解できる人材が必要不可欠です。


2020年のオリンピックに向け、日本の国際化は一層拡大し、日中間の交流、ビジネスの展開もより一層盛んとなるでしょう。


「欲窮千里目,更上一層楼(美しい景色を見るためには、一段と高く登らなければならない)」


輝かしい将来に向けて、最高の学習環境の下で、一緒により一層自分をグレードアップしようではありませんか。

<禁無断転載>

 

-------------------------------------------------------------------


<張意意先生のプロフィール>
証券会社、コンサルティング会社で通訳・翻訳者として活動するとともに、アイ・エス・エス・インスティテュートで「ビジネスコミュニケーションコース」を担当。企業や業界のニーズを把握し、中日間のコミュニケーションを円滑に進めるために、受講生に最新の動向を紹介しながら、指導を行っている。

 

-------------------------------------------------------------------

 

| ISSインスティテュート創立50周年記念 | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第16回: 田村安子先生(英語通訳者養成コース)

 

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

-------------------------------------------------------------------

 

「ISSと共に歩んだ日々」

         田村安子先生(英語通訳者養成コース)

 

 

私がISSに入ったのは1973年頃でした。当時ISSは新宿通りを挟んで今の場所の反対側、半蔵門寄りにありました。一階が洋画のギャラリーで、私はギャラリーの経営者だった画家について油絵を習っていました。あるとき、五階に通訳学校の看板が出ているのに気付き、上がって行きました。ちょうど下の娘が大学に入り、専業主婦としては子育て責任という表看板がなくなっていましたので、大学時代以来遠ざかっていた英語を学んでもいいと考えました。学校は五階のフロアだけで、右手に教室が一つ、左手に事務室という簡単なものでした。部屋で一人、入学試験を受けました。日本語で答える日本語の試験は問題が数枚、文章の他にことわざなどで、漢字で埋っていました。英語は簡単な英文の日本語訳と、カセットテープでニュースを数分、終わるといくつ話題があったか聞かれました。「三題」と答えると八題だったということでした。配点は日本語も英語も同じで、日本語がほぼ満点、英文の日本語訳で積み増して、辛うじて合格しました。

 

授業の構成は初級、中級、上級各一クラス、生徒はそれぞれ20人あまり、先生二人が担当でした。私は午後の初級クラスに週二回通いました。クラスメートは大学生や通訳志望の20代の女性が多く、私はず抜けて年長でした。教材は今と似たようなもので、生徒が訳し、先生がフィードバックを行います。私は経済や法律が好きで学者の論文などを読んでいたので教材は面白く、授業の後、娘のような年代の女性とお茶を飲むのを楽しんでいました。

 

中級クラスの女性の先生は20代で通訳教育を受け、30代で第一線で活躍という理想の経歴でしたが、私の年齢を聞いて「40歳になった自分なんて考えられない」と言われました。普通ならショックを受けるかもしれませんが、私は20歳の頃、24歳と聞くと年輩に感じた覚えがありましたから気になりませんでした。もう一人の男性の先生は60歳に近いビジネスマンで、私の文のまとめ方と日本語訳が良いと言われました。捨てる神あれば、拾う神ありでした。上級クラスになり、ISSの創立に関わった女性で私とほぼ同年輩だった先生から、あなたは通訳になれるから頑張りなさいと言われ、心底驚きました。それから真剣に勉強しました。学期の後半ではブースで同時通訳の訓練を受けました。最後の試験の結果、上級クラスと中級クラスの先生方の合議で、一人だけ研修科に残ることを許可されました。研修科とは、上級の上のクラスで、好きな授業に出られるというもので、先生方の推薦が必要でした。許可証には「英語は多大な努力を要す」とただし書きがついていました。英語に優れたクラスメートは大勢いました。研修科に残れないと辞めていく人もいましたが、皆通訳になり、その後いろんな会議で顔を合わせることになりました。自信がなかった私の場合は、研修科入りがなかったら通訳にならなかったでしょう。ただし書きについては会議の現場を通じて真剣に向上に取り組みましたが、常に引け目がつきまとい、解放されるのに20年近くかかりました。

 

会議通訳になって数年して仕事が順調に入るようになった頃、ISSから講師として呼ばれ、若い生徒と付き合うことになりました。生徒は私が学んだ頃と異なり、会社勤めの傍らという人が多数になりました。企業側から派遣される男性社員が一時かなりいましたが、仕事の後の授業で、よく居眠りをしていました。宇宙飛行士の毛利さんがミッションに参加するため、アメリカに行く前には特別のプログラムが組まれて、教室で一対一で集中授業をしました。珍しく風邪をひいていた私は必死で声を出したのを覚えています。毛利さんは大変素直でした。

 

何も知らずに入ったISSは、日本で初めて開かれた会議通訳の養成校でした。地味に真面目に生徒を育ててきた学校だと思います。振り返ると二十数年顔を出してきて、通訳するとはどういうことか、私の考えのままに教えてきました。私がISSで学んだことは、言葉を通じて他者と共感するということ、言葉の枝葉にこだわるより相手の真意を理解することでした。加えて会議の通訳で得た技術を生徒に伝えようとしてきました。他の先生方がどのようにされたか分かりませんが、それぞれの先生から生徒が何を吸収するのか、生徒に任せるのが、ISSのやり方でしょうか。

 

言語を通じて人を理解するのは人間の特権です。人に対する共感を抱くことができ、人生が豊かになります。日本語は情緒に富み、また理論的です。また長い豊かな歴史があるので、日本語で育った人は他の歴史のある言語の豊かさを理解できます。言葉を通じて人生を豊かにする手段を提供してきたISSが50周年を迎えたと聞き、感慨がありました。学校のおかげで私の人生が楽しく豊かになりました。また生徒との交流を通じて学校に関われたことを感謝しています。

<禁無断転載>

 

-------------------------------------------------------------------

 

<田村安子先生のプロフィール>
国際会議や産業分野でのビジネスの合併を含む各種交渉、セミナー、国家間の通商、貿易摩擦交渉など、フリーランスの通訳者として幅広い分野で活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは主に上級レベルを担当。

 

-------------------------------------------------------------------

 

 

| ISSインスティテュート創立50周年記念 | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第15回: 森田直美先生(英語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

-------------------------------------------------------------------

 

「現場での対応力を身に付ける」

         森田直美先生(英語通訳者養成コース)

 


私がISSの門を叩いたのは、もう随分と前のことです。当時は、商社を辞めて病気の治療に専念しつつ、健康を取り戻したらやりたいこと(!) を探していた時期でした。通訳ガイドのスクールに行き、通訳案内士試験に合格して、次なる目標を探していました。語学学校では飽き足らず、大学時代から「絶対に自分には無理」と確信していた通訳を養成するスクールのレベルチェックテストを受けたのは、正直時間を持て余していたからでした。

 

基礎科2(現プロ通訳養成科1)に入るも、通訳のやり方が分からない、メモの取り方が分からないなど1期目は手探り状態でした。通訳科1(現プロ通訳養成科2)に進級できたもののそこからが、また大変。周りは、とてもお上手な方ばかりで、焦るあせる。クラスで当てられると、頭は真っ白、メモを取る手は震えるし、大変なところに来たなあ、と痛感しました。でもその時に一緒だったクラスメートは、本当にぶれがなく実力向上のために一途でした。だからこそ、一番厳しい通訳科1を通過して、通訳科2(現プロ通訳養成科3)、同時通訳科へと進めたのだと思います。

 

その当時通訳科2では、「医学」が練習テーマの一つでした。医学は専門にしたいと強く思っていたので覚えることがたくさんありましたが、楽しかったです。

 

英語の基礎力が十分でないまま、通訳訓練を始めたため、辛いこともありましたが、プロ通訳になったら実現したい夢を密かに抱いていました。それは、憧れの先輩通訳者といつか同通ブースでご一緒したいということと、当時展示会通訳でよく行っていた幕張メッセで、ステップアップしてセミナーの同時通訳を担当したい、ということでした。その二つが実現した時は、嬉しくて、満足感から「もう通訳やめてもいいかも」と思っていました。

 

社会人になりすぐに大病したこともあり、健康を取り戻してからは「医療・医学」のために貢献したい、という気持ちが強く、そのために医学の勉強も大学に通ったり、専門書を読んだりして勉強しました。医学単語は難しく、今でもまだ苦戦していますが、好きな分野を仕事にできる喜びはあります。

 

同時通訳科に進級すると、今度は国際セミナーや文化的なテーマの通訳業務を担当することになった時、どのように準備、対応すればいいのかが学習の中心になりました。自分の中では、「私はテクニカル通訳しか担当しないので、関係ないなぁ〜」とちょっと軽んじていた部分もありました。が!それが間違いのもとでした。避けて通っても避けきれない時もあるのだと痛感したのは随分と後になってからのことでした。

 

「谷川俊太郎&ゲーリー・スナイダーのポエトリーリーディングの夜」というイベントで、ステージ上で逐次通訳をすることになったのです。昔から懇意にされているお二人の対話は予測がつかず、しかも難しい詩の解釈など出てきたら訳せないかもしれません。英語学部出身だから通訳できるというレベルではありません。「うわ〜〜どうしよう」とお二人の本を買い集め、過去のイベントのビデオを見たり、担当教授にレクチャーしていただいたりしました。

 

当日は打合せもさせていただきました。何とも言えない温かい雰囲気を醸し出していらっしゃるお二人で、谷川さんは「打合せしても、何言うかはその場にならないと分からないしねぇ」などとおっしゃいます。そうでしょうが、来場者は詩が大好きな方ばかり。一番の素人は私なのですよぉ、と思いました。

 

ある年、医学学会の同時通訳を担当する機会がありました。「待っていました!」と思いながら担当箇所を見ると、「特別講演:大江健三郎」とあるではないですか。ノーベル賞受賞者の担当通訳が果たして私でいいものか、エージェントに確認すると「お願いします」とのこと。しかも「原稿は当日しか出ません、でも打合せがあります」とのことでした。ご本人の全人生を予習するのは、不可能なのでこうなればヤマを張るしかありません。当日の聴衆を考えた時、話をされそうなテーマは何か、単語リストを作成したり、ウェブで最近の活動を調べたり、新聞でテーマになりそうなことを調べたり・・・。

 

無駄とも思える努力と恐怖におびえながら、こんな時いつも頭に浮かぶのは、同時通訳科の先生のお顔です。同時通訳科で、もっと真面目に勉強しておけば良かった・・・と猛烈に反省しつつも、クラスで何度も、何度も準備の仕方を繰り返したおかげで、現場で道が開けるのは不思議です。

 

通訳者の人生には、不要な知識などないのですね。いつ何時専門分野以外のテーマに直面するか分かりません。その時のためにも、柔軟に情報を吸収することはとても大切なことだと実感しています。

 

今日の自分があるのも、ISSの先生方のおかげです。決して優秀でなかった生徒の私に長い間厳しく、的確にご指導してくださいました。私も次世代の通訳者の皆さんに少しでも自身の経験をお伝えできればと思っています。

<禁無断転載>

 

-------------------------------------------------------------------


<森田直美先生のプロフィール>
大学卒業後、商社勤務を経て、インターンシップでオーストラリアにて日本語と日本文化を教える。通訳ガイド国家資格取得。アイ・エス・エス・インスティテュート同時通訳科を経て、現在はフリーランスの通訳者として主に医学・製薬分野で活躍中。
 

-------------------------------------------------------------------

 

丸森田直美先生が担当される 集中コースのご案内丸

 

  四葉のクローバー【6月開講】集中コース 
  はじめての医療通訳
  [東京校] 6/28(水)、30(金)、7/5(水)、12(水)、14(金)

                19:00〜21:00(全5回)

 

  集中コースは入学金・レベルチェックテストは不要です。
    受講特典あり!クラスの詳細、お申込みはこちらから:
    https://www.issnet.co.jp/courses/e_i_concentration.html#feature7


------------------------------------------------------------------------

 

| ISSインスティテュート創立50周年記念 | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第14回: 立花直子先生(英語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

-------------------------------------------------------------------

 

「スキルを身に付けてプロの道へ」

         立花直子先生(英語通訳者養成コース)

 

 

大学生の頃、スポーツの国際大会スタッフのアルバイトで、思いがけず記者会見場に連れて行かれたのが初めての通訳の経験でした。帰国子女ではありましたが、英語で苦労した記憶はまだ鮮明で苦手意識があり、実践的な日本語も身に付いていませんでした。通訳をするためには語学力だけでなく、背景知識、正しい理解力、主旨を正確に伝える情報の伝達力などが必要であることを言われるまでもなく強く認識させられる苦い体験となりました。通訳の仕事は「自分には務まらない」と思った一方で、通訳のニーズがあることを意識するようになりました。


同じ現場にはプロの通訳者もいらっしゃいました。スキルを発揮し、活躍なさっている姿は当時大学生の私にはとても印象的でした。その方がISS出身者であることが分かり、通訳スキルを身に付けるためには訓練が必要だと現実的に考えるようにもなりました。

 

ISSのカリキュラムは多岐に渡っているので、語学や通訳スキルのついでに知っておくべき時事や一般常識など、社会人としての教養も学べる機会だと期待して入学を決めました。一石二鳥というわけです。通訳学校なのに、動機が不適切だったのでは?と言われてもおかしくありません。でも当時まだ通訳者になろうとは思っていませんでした。

 

当時は週二日制のコースがあり、いざ授業が始まると単語テストの準備や授業の復習などに追われる毎日となりました。課題や授業はかなり難しく、出来の悪い生徒だったと思います。どこに行くにも(もうめったに見かけることはなくなった)カセットプレーヤーに教材を入れて持ち歩き、時間を惜しんで勉強をしました。のちにやはりその姿を見なくなったMDを使うようになって、その後やがて現在のようなデジタル化がされました。入学してすぐに35周年を迎えたことを覚えていますから、年月の流れとオーディオ環境の進化を感じます。授業についていくのに必死でしたが、知識が増え、新聞やニュースが理解できるようになり、TOEICなどの点数が上がり、語学力がついていくのを実感していました。

 

忙しくも充実していて、おそらく人生で最も勉強した時期だったのではないかと思います。細かくレベル分けされて同じクラスになったクラスメートやOJTの現場で一緒になった同志との交流も大きな励みになり、そういった「戦友」との親交は今に続いています。実際、年齢や経歴はバラバラでも、「ISS出身者は仲が良いですね」と言われることが多いように思います。


その頃、すでに企業内で翻訳の仕事に就いていましたので、授業で習った表現を仕事でそのまま活かすことができ、授業と仕事の相乗効果や、実践的な学習に夢中になりました。

 

仕事で徐々に通訳の機会が増え、「自分には務まらない」と思っていた通訳の仕事がいつの間にか現実になっていました。派遣社員から、契約社員、正社員へとキャリアアップし、さらに転職を経てフリーランスへと転向しました。

 

通訳の仕事を通して、様々な分野で活躍する人物との出会いがあり、政治家や企業のトップなどと同席をする機会もあれば、企業の中のさまざまな業務や部門などの現場に寄り添うこともあります。それぞれの言語の耳となり声となり、言語を超えて理解を深めるお手伝いができた時は、プロとしてささやかな達成感と喜びを覚えます。

 

現在、通訳の仕事の傍らで担当している入門科(執筆当時)の授業では、実践的な教材を使い、シャドウイング、リプロダクション、クイックレスポンスなどの基礎訓練を取り入れて、訳出のテクニックまでを指導しています。シャドウイングによって聴く力と話す力を養い、リプロダクションによって話の内容を理解して、情報を整理して、再現する力を身に付ける。これらの基礎訓練は、訳出と同様もしくはそれ以上に大切です。更に教材をやりっ放しにせず、学習する習慣を身に付けることが総合的な力に繋がると考えて、復習にも重点を置いています。

 

通訳学校の勉強は決して楽なものではありませんが、長年にわたり多くの優秀な通訳者を輩出してきた実績に裏付けされたISSのノウハウやシステムを活用した勉強や訓練は、しっかりと取り組んだ分だけ力が付きます。学期修了後に振り返っていただくと、開講前と比べての成長を改めて実感していただけることでしょう。同じ志の受講生と共にクラスを一つの研鑽の場として切磋琢磨し、頼りにされる優秀な通訳者を目指していただきたいと、学び始めた頃の自分の姿を重ねています。

<禁無断転載>

 

-------------------------------------------------------------------


<立花直子先生のプロフィール>
小学校入学までをドイツ、中学・高校をアメリカで過ごす。立教大学英米文学科を卒業。1999年アイ・エス・エス・インスティテュート入学。在学中より保険会社、銀行等で社内通訳・翻訳者として10年以上の経験を積む。同時通訳科を経て、現在は保険、金融、IT、経営、スポーツ、エネルギー等の分野で活躍するフリーランス会議通訳者。アイ・エス・エス・インスティテュートでは主に基礎科レベルを担当。

 

-------------------------------------------------------------------

 

| ISSインスティテュート創立50周年記念 | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第13回: 秦燕先生(中国語翻訳者養成コース)

 

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

-------------------------------------------------------------------

 

「学習の喜び」

         秦燕先生(中国語翻訳者養成コース)

 

 

ISSとの関わりはさかのぼって2002年頃からになるでしょうか。当時、私の通訳の相棒が通訳として活躍しているにも関わらず、ISSでは受講生だったことを知り、刺激を受けました。私より通訳歴が長く、大先輩の彼女を惹きつけるISSという学校にはどのような魅力があるのだろうと興味を持ちました。

2010年、私の念願がかなって、ISSの講師になることができました。ISSは語学力の向上を目指している方が学ぶだけでなく、プロを目指す、プロフェッショナルの人材を養成する学校でした。ここで講座をもつ大役に、ワクワク、そしてドキドキしながら授業に臨んでいる自分が今も続いています。

私が担当する翻訳者養成コースの基礎科に通っている生徒さんの中には、多くの社会人の他に大学生もいました。つまり、生徒さんの学習歴が長かったり、短かったりとさまざまです。そこで、私は、生徒さんが今まで学習された知識をより系統的に整理しながら、上級クラスの本科1へ進むように意識を持たせつつ、毎回テーマを決めて授業を進めています。

 

例えば、文法の整理については、文の構造を訳例に照らし合わせながらその仕組みを解説します。特に構文の使い方や前置詞句の位置付け、そして助詞の「得」、「的」、「地」の特徴を重点的にアプローチします。ソース言語の構造に頼りつつ、的確かつ読みやすい訳文に仕上げていくのです。

 

もう一つは、生徒さんに「思考回路」を意識していただくということです。人々はそれぞれの思考回路をもって生活を営みますが、ここで話している「思考回路」は中国語脳で考えることで、単なる言葉の置き換え作業ではないことを意識して欲しいのです。つまり論理の展開や帰結の意味での「思考回路」でしょう。中日間の言語思考回路は近いものがあるものの、根本的に違うということを忘れてはいけません。例えば、「どうも」や「すみません」。この二つの言葉は日本人にとって万能用語と言っても過言ではありません。軽い謝罪や感謝、ひいては、挨拶などにも使える便利な言葉です。これを中国語化する場合は、その内容を汲んで処理する必要がありますし、「〜と思われる」、「〜ではないかと言える」といった語尾をはっきりとさせない表現も中国語化する際、違った意味での難点があります。つまり、文法上では受身や可能の形で捉えることができるからなのです。「北方領土の帰属問題が解決されない中」の「北方領土」についても、ネイティブの考え方、表現までをも考え合わせ、「日俄之間存在的南千島群島(日称北方領土)主権帰属問題尚未解决」と訳し、なお「主権」を付け加える必要があると思われます。

 

私の授業で、生徒さんにどうしても吟味して欲しいもう一つのことは、ことばの力です。どういうことかといいますと、辞書では、同じ意味と示されている単語でも実際には異なった意味になることがしばしばあります。私は標準訳例の他に、a,b,c,dの複数の同類単語を並べ、aの単語を使って得られた効果、bを選択した場合の効果など、生徒さんと一緒に吟味しながら、ことばのインパクトの大切さを学んでいきます。

基礎科の授業は、プロの翻訳への第一歩です。読みやすいライティングとして完成するということを考えると、あれもこれも教えたくなるのは私だけではないと思いますが、限られた時間の中、生徒さんに何を理解してもらうか、理解してもらったものをどのように次のステップに繋げるかなどを優先に考え、授業に臨んでいます。

翻訳は言語が異なれば、物の考え方も違うため、文章を表現するときにその背景にある理論や理屈も異なります。そのまま原文のロジックを使って文章表現をしていくと、分かりにくい情報になるだけでなく、時には誤解を招くことにもなりかねません。しかし一方、これこそが翻訳者にとって翻訳作業の醍醐味であり、チャレンジする価値のある、すごく面白い勉強の一つと言えるでしょう。少なくとも私はその中の一人です。

 

ワクワク、ハラハラ、新たな発見がいっぱいのISS翻訳コースの授業はいかがですか。

 

<禁無断転載>

 

-------------------------------------------------------------------

 

<秦燕先生のプロフィール>
中国大連外語大学日本語学科卒業後来日、お茶の水女子大学人間文化研究科博士単位修得退学。早稲田大学高等学院中国語非常勤講師、日中学院中国語非常勤講師、主に日中通訳、国家資格ガイド試験対策クラスなどを担当する。アイ・エス・エス・インスティテュートでは基礎科レベルを担当。

 

-------------------------------------------------------------------

 

| ISSインスティテュート創立50周年記念 | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第12回: 柴原智幸先生(英語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

-------------------------------------------------------------------

 

「『お役に立つために』を合言葉に、楽しんで学びましょう!」

         柴原智幸先生(英語通訳者養成コース)

 

 

2003年の4月にISSの1日セミナーを担当させていただいたのを皮切りに、通訳コース準備科・入門科・基礎科1(現基礎科)、翻訳コース入門レベルでも授業を担当し、さらに横浜校では英検1級対策クラスも担当していました。一時は土曜日に3時間の授業を3コマ持っていたのも、今振り返ると良い思い出ですね。

 

授業をしていて感じたのは、生徒の皆さんの熱心な姿勢でした。復習に力を入れて頑張っていた方は、どんどん力を伸ばしていきましたね。教務の皆さんも学んでいる方々にきめ細かく対応してくださっていて、勉強に悩んでいたり、進級したクラスで苦労していたりすると、すぐに私に連絡が入り、面談が行えるようにしていただきました。

 

学びやすい環境であったと同時に、教えやすい環境でもあったと思います。
実は私、通訳コースの授業を初めて担当した頃はまだ不慣れな点もあり、クレームを頂戴したこともありました。参考までにベテランの先生の授業を見学しようと、教務の方々にも協力いただきました。おかげさまで、その後は、何とか大過なく授業を担当できたように思います。

 

中間テストや期末テストの後は、クラスの皆さんと飲み会をしたのも良い思い出です。中でも8年ほど前に担当したあるクラスは、今に至るまで「同窓会」が断続的に続いているほどです。同窓会でのお話がきっかけで、現在は、月に1回集まって、勉強会を行っています。すでに英語教師やプロ通訳者、翻訳者などとして活躍している教え子たちと一緒に学べるのは、至福のひと時ですね。

 

それはさておき、今、ISSで学習をしている方にお願いしたいのは、「通訳はサービス業なのだ」ということを認識していただきたい、ということです。「いかにお役に立つか」を考えていくことが大切です。

 

あくまで私の印象ですが、ISSにいらっしゃるのは、一般的な英語学習者では上位の方が多いので、ある意味で「褒められ慣れている」、ともすると「褒められたがり」の方が多いような気がします。

 

もちろん褒められることは通訳の勉強を進める上でのモチベーションになりますし、私たち講師も良い訳出にはきちんと「良い訳ですね」と申し上げますが、褒められることそのものが最終目標になってしまうと、方向性がずれてきてしまうように思います。下手をすると、「褒められないならやらない」ということになりかねません。

そうではなくて、「どうやったらお客様のお役に立てるだろうか」と考えてみると、今までとは別の角度から学習に取り組めるのではないでしょうか。

 

通訳には試験範囲はありません。入学試験や資格試験で、万全の「対策」をすることに慣れている方にとっては、発想の転換が必要でしょう。「必要最小限の努力で最大の効果を」という「効率的」なやり方は、試験範囲や出題パターンがあってこそ成り立ちます。しかし、通訳で扱う事柄にはそのようなものはありません。テストで正解の選択肢を選べたり、空欄を埋められたりできさえすればよいような、そのようなレベルでの理解では通訳をする上では浅すぎます。学んだことが自分の中で血肉になっている必要があるのです。

 

学ぶことそのもの、そのプロセスに楽しみを見出してください。「何の役に立つか」ということを考えず、単に「知らないことを新たに知っていく」ことそのものが楽しいと思えるようになると、しめたものです。知的好奇心に満ち溢れた状態を維持することがポイントですね。本来の「学び」といったらよいのでしょうか、「教養教育」的な姿勢が大事になると思います。

 

通訳者にとって、「知らなくてよい」ことなどありません。
自分が普段読まないような雑誌、新書、文学作品などに手を出してみましょう。映画を見たり、美術館や博物館を巡ったりということも、とてもいいですね。私はNHKの高校講座を見てみたり、高校生用の学習参考書を立ち読みしたりしたこともありました。自分の「知のアンテナ」とでもいうものを、最大限に展開し、感度も目いっぱい上げておくと、いろいろな情報が入ってきます。もちろん、英語そのものもしっかり勉強しておくのが前提ですよ。

 

通訳学校というのは、プロになるための基礎体力作りをする場と考えて、自分の「知の受け皿」とでもいうようなものを可能な限り押し広げておきましょう。小さくまとまらないようにしてくださいね!

 

これから通訳学校に通ってみようと思っている方は、文法の復習を行っておくと、授業を存分に楽しめると思います。その際、「理解している」ことに満足せず、理解した文法事項を使って、瞬時にパッと英文を組み立てられるようにしておくと効果的です。また、これは私が実際にやっていることですが、「ポプラディア」など、子供用の百科事典を「読み物」として読んでみると、通訳で出会う様々な事柄が、ぐっと身近に感じられるはずです。

 

自分が今まで行ってきた知的活動のすべてを注いで、コミュニケーションを成立させる。そんな通訳の醍醐味を、ぜひ存分に味わってください!

<禁無断転載>

 

-------------------------------------------------------------------


<柴原智幸先生のプロフィール>
上智大学外国語学部英語学科卒業。英会話講師、進学塾講師、フリーランス通訳者を経て、英国University of Bath大学大学院通訳翻訳コース修了後、BBCに放送通訳者として入社。2011年より2017年まで、NHKラジオ講座「攻略!英語リスニング」講師。現在は大学講師、NHK放送通訳者・映像翻訳者として活躍中。アイ・エス・エス・インスティテュートでは主に入門科レベルを担当。

 

-------------------------------------------------------------------

 

柴原智幸先生が担当されるサマーコースのご案内

短期コース2017サマー 

 柴原智幸先生の英語の発音トレーニング
     東京校:9/3(日) 10:30〜13:30

   横浜校:9/23(土・祝) 10:30〜13:30   


 短期コース2017サマーでは、入学金・レベルチェックテストは不要です。
 受講特典あり!クラスの詳細、お申込みはこちらから:
 https://www.issnet.co.jp/courses/e_i_short.html#feature1

------------------------------------------------------------------------

 

| ISSインスティテュート創立50周年記念 | 09:00 |
ISSインスティテュート創立50周年記念「ISS講師からの応援メッセージ」 第11回: 柴原早苗先生(英語通訳者養成コース)

 

1966年、日本で最初の同時通訳者養成学校(当時の名称:アイ・エス・エス通訳研修センター)としての開設以来、株式会社アイ・エス・エス・インスティテュートは、第一線で活躍する通訳者・翻訳者を養成してまいりました。

 

創立50周年記念として、これからISSで学習を始めてみようとお考えの皆様や、ISSで学習中の受講生の皆様へ向けて、プロの通訳者・翻訳者として活躍されているISS講師から「応援メッセージ」をいただきました。本スクールブログにて、「応援メッセージ」を一つずつご紹介いたします。

 

通訳・翻訳訓練を始めてみたいけれどあと少しの勇気がでない皆様、学習を長年続けているからこその伸び悩みを感じている皆様、ぜひ、ご一読ください!

 

                      

 

 

 

 

 

           

-------------------------------------------------------------------

 

「学びは工夫と謙虚さで」

         柴原早苗先生(英語通訳者養成コース)

 

 

大学時代の私は「いつか英語を使った仕事に就きたい」と考えていました。ただ、漠然としていたため卒業後は民間企業に就職し、会社と家の往復を続けていました。しかし次第にそれでは飽き足りなくなり、ISSの門を叩きました。


レベルチェックテストの結果、同時通訳科の一つ下のレベルに入りました。当時のクラスは平日夜週ニ回。毎回の単語テストに加え、逐次通訳の徹底的な訓練が行われ、密度の濃い授業でした。その頃は一学期ワンテーマのレッスンで、私が入学したときは医学の教材がメインでした。


一方の私は医学が大の苦手。「早くこの苦しい内容から脱したい」という思いが逆に動機づけとなり、一回で進級をめざそうと考えました。仕事と勉強の両立はチャレンジングでしたが、隙間時間を見つけながらせっせと取り組みました。その甲斐あって幸い同時通訳科に上がることができたのです。


ところがどうしても私はそのクラスに馴染めませんでした。今にして思えば、先生の「愛のムチ」を受け止めるだけの度量が私に備わっていなかったのです。私はただ萎縮するばかりで、やがて授業を休むようになり、そのままフェードアウトしました。一方、その頃は通訳者を本格的にめざしていましたので、「学校に通わないまま、いち早くデビューするにはどうすべきか」ばかりを考え、エージェントにせっせと履歴書を送り続け、初仕事へとこぎつけたのでした。


それから数年を経て私はBBCの放送通訳者としてロンドンに赴きます。同僚と結婚して子どもも授かりました。しかし勤務体制の変更を機に後先考えず帰国をしたのです。夫婦そろって失業、しかも第二子を妊娠中で途方に暮れる中、ご縁があってISSで講師をするようになりました。そして現在に至っています。

 

ISSで教鞭を執り始めてから数年が経ちますが、その間の英語学習環境は大幅に変わったと感じます。今ではスマートフォンの学習アプリも豊富ですので、その気になれば所や場所を問わず勉強できます。


「いつでもどこでも勉強できる」のは利点です。しかし裏を返せば「いつになってもどこにいても勉強しない」ということになりかねません。あまりにもおびただしい情報に学習者が振り回され、結局何もできないままになってしまうのです。


ISS受講生のみなさんは誰もが真面目であり、課題にも真摯に取り組んでいます。しかし他の日本人英語学習者同様、ついつい「正解」を求めがちのように私には見えてしまいます。通訳学習で模範訳を求めること自体、悪いことではありません。しかしモデル訳「だけ」にこだわってしまうと、そこから先への「工夫」が止まってしまうのです。自分の訳出に不安があるならば、講師に積極的に尋ねることも大切だと私は思います。通訳現場では不明点をおざなりにせず、積極的に聞くことも仕事の一部なのです。学校はその「聞き慣れる」トレーニング場という位置づけでも良いのではないでしょうか。


さて、緊張感あふれる授業を終えると「あ〜、今日もうまく訳せなかった」という思いに駆られがちです。かつての私もそうでした。自分の弱点を知り、次への改善につなげることは大切ですが、一方で自分を追い込み過ぎないことも大事です。オンとオフを切り替えることもこの仕事では求められますので、心の中で自分を褒め、自分にご褒美をあげることも学習継続のカギを握ります。


たとえば東京校であれば、授業終了後、USBに入った自分の音声をヘッドホンで聞きながら皇居の周りを一周することもできます。記憶の新しいうちに自分のパフォーマンスに耳を傾ければ復習になりますし、自然を愛でながらウォーキングをすれば体力作りになります。「大変で億劫な作業」を「楽しいこと」と抱き合わせるのも一案です。

 

通訳業は「お金を頂きながら学ばせていただける」という稀有な職業です。この仕事のおかげで私自身、知らなかった分野に巡り合い、人生が豊かになったと感じます。通訳者をめざす方に以下の7点が参考になれば幸いです。

 

(1) 教養: 通訳で必要なのは語学力以上に知識力です。日頃から新聞や本をたくさん読み、表現力と幅広い内容を吸収してください。


(2) 好奇心: 「知らないことを知りたい」と思う気持ちは原動力になります。難解な分野であれば子ども向け百科事典などにあたり、基礎から学んでいきましょう。


(3) 学び続ける心: 語学や通訳の勉強に「終わり」はありません。「母語以外のことばを知っている」というのはみなさんへ与えられた恩恵です。一生学び続けましょう。


(4) 工夫: 情報や学習法に惑わされない方がかえって勉強しやすくなります。目の前のすべてが学びに通じるのです。ご自分で勉強法や教材の工夫も試みてください。


(5) ご縁: 世の中はすべて人との関わりで成り立っています。ヤマト運輸の創業者・小倉昌男氏は「感じの良い人」であることの大切さを説いていました。仕事のご縁もその人の人間性にかかってきます。


(6) 謙虚さ: 仕事であれ勉強であれ、失敗はつきものです。大事なのはそこからどのような「教訓」を得るかです。謙虚さは自己成長に欠かせません。


(7) 体力: 食事や睡眠、運動に気をつけることが現場での良きパフォーマンスに反映されます。ご自分の体を労わることがお客様へのサービスにつながります。

「通訳の勉強をしよう!」と思い立ったときこそが飛躍のチャンスです。ISSの講師や教務スタッフはそんなみなさんを応援したいのです。ぜひ一人でも多くの方が通訳の世界を知り、学ぶ喜びを感じ、ご自分の力を世の中に還元してくださればと願っています。

 

<禁無断転載>

 

-------------------------------------------------------------------


<柴原早苗先生のプロフィール>
放送通訳者、獨協大学非常勤講師。上智大学卒業、ロンドン大学LSE にて修士号取得。ロンドンのBBC ワールド勤務を経て現在はCNNj、CBS イブニングニュースなどで放送通訳者として活躍中。NHK「ニュースで英会話」ウェブサイトの日本語訳・解説を担当。ESAC 英語学習アドバイザー資格制度マスター・アドバイザー。著書に「通訳の仕事 始め方・稼ぎ方」(イカロス出版、2010年:共著)。アイ・エス・エス・インスティテュートでは主に入門科レベルを担当。

 

-------------------------------------------------------------------


柴原早苗先生が担当されるサマーコースのご案内
 四葉のクローバー 短期コース2017サマー
   おもてなし通訳を体験しよう!

   東京校: 7/26・8/2(水) 10:30〜13:30(全2回)


   はじめての通訳訓練
   東京校B:8/20・27(日)10:30〜15:30

 短期コース2017サマーでは、入学金・レベルチェックテストは不要です。
 受講特典あり!クラスの詳細、お申込みはこちらから:
 https://www.issnet.co.jp/courses/e_i_short.html#class_list

 

------------------------------------------------------------------

 

| ISSインスティテュート創立50周年記念 | 09:00 |

☆好評連載中!
『柴原先生のワンランクアップの英語表現』
banner_shibahara.jpg

CATEGORIES

RECOMMEND BOOKS


SELECTED ENTRIES

CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>

リンク

モバイル
qrcode