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授業体験レポート:2017秋【中国語編】第8回 「それを言っちゃあ お終いよ」

 

スクールブログで人気の連載、レギュラーコースの授業ルポ。この秋、13シーズンめを迎えました!

2017年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!

ISSの教室では実際にどのような授業が行われているのでしょうか?

毎週金曜更新、英語・中国語を交互にお届けします。それでは、中国語の授業ルポ第8回をお楽しみください。

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丸第15回 中日翻訳
 
今回の課題は若手俳優を紹介する記事の翻訳です。(ほぼ)映画とドラマで中国語を学習してきたミーハーな自分には、うってつけ!
…と思ったら案の定、世の中そんなに甘くありませんでした。

 

訳出に大きな間違いはないにも関わらず、翻訳としては全然ダメ。講師の先生の訳文を拝見した瞬間にそれを悟り、思わず血の気が引きました。

何がダメかを逐一解説していただいた120分の授業は、先生の穏やかな口調とは裏腹に、針のムシロというかゾンビ犇〈ひし〉めくダンジョンというか、ともかく恐怖の連続でした。思い出すのも辛いですが、何とか振り返ってみますと……。

 

・登場人物の個性や記事の方向性を正しく捉え、それを踏まえた表現にできたか


人を紹介する文なのですから、その人がどんなキャラクターか考えずに翻訳するのは無謀という他ありません。訳語選びをミスったせいで、シャイな好青年が、上から目線のエラそうな若造に早変わり。ファンの皆様、本当にごめんなさい、翻訳がそのまま記事になるのに、読者に喜んでもらえる方向に訳せていなければダメですよね。
「誰を演じてもキムラさんらしさを感じる」と「誰を演じてもキムラさんに見える」では与える印象が真逆。ファンに後者を投げつけるなんて、翻訳者というより勇者かと…。

 

・全部を直訳するのではなく、目的に沿って取捨選択したか


原文もタレントのイメージを良くする方向で書かれているはずですが、逐一直訳するとニュアンスが変わってしまうことがあります。「身長があるので」と訳せば謙遜しているのに、「僕は背が高いので」だと自慢げに聞こえてしまうのです。不思議ですね……。わずかな違いも全体の印象を左右するので、おろそかにできません。

 

・話がうまくつながるように工夫しているか


日本語から中国語に訳すときは、情報を補うようにとしょっちゅう注意されますが、中国語から訳すときも、何か言葉を足さないと日本語として座りが悪いことがあるというのは意外な指摘でした。「ただし」「そのあと」「ようやく」といったつなぎの言葉や、ちょっとした付け足し(作品名の前に「出世作となった」と加えるなど)があるだけで、文章のなめらかさ、分かりやすさが全然違ってきます。

読み手の存在がハッキリ見える今回の課題を通じて、中文和訳と翻訳との大きな差を、一段と強く感じ取れたように思います。

 

 

丸第16回 日中翻訳

 

今回の課題は2つあり、1つは短文、1つは企業から消費者へのお詫びの手紙でした。

 

短文の方は、雑誌名の由来を説明した文章です。雑誌名に採用された単語(外国語)が、現地でどういう背景を持つか紹介することで、それとなく雑誌の趣旨も読者に伝えている……のですが、「それとなく」では中国語ネイティブは納得しないらしく、ここはハッキリ、「〜という考えに共鳴して××を誌名としました」等々と補う方がいいらしい。

 

そんなの原文に書いてないし、ちょっと考えれば分かるじゃないですか。皆まで言ったら雰囲気ぶち壊しでしょ、と思う間もなく、では雑誌の趣旨は何ですか、と講師の先生に突っ込まれ、雑誌名=趣旨ではなかったため、途端にしどろもどろに。

 

そうです、よくよく考えてみれば、この文章が本当に伝えたかったのは、誌名の由来になった言葉の説明というよりは、明示はされていない、雑誌の趣旨の方。

 

日本語は、相手が分かるだろうと思うことは文章からどんどん間引いてしまう上に雰囲気重視なので、本当に言いたいことや足すべき情報が何かを考え始めると、結構大変です。

 

2つめの課題であるお詫びの手紙にも同様の問題がありました。事故品を返送してきた消費者に、謝罪のうえ、お詫びの品を送る、という内容なのですが、先生は、直訳しただけでは火に油を注ぐ結果になるかもしれないと仰るのです。

 

先生曰く、返送された製品については代品を送るはずだが、そのことは手紙のどこにも書かれていない。そこに触れずにおまけのことだけ書くと、代品はさておき弊社の新製品をお試しください、という宣伝と解釈されるかもしれませんよ、とのこと。

 

唖然とする私たちに追い打ちをかけるように、先生は、台湾で映画化された『桃太郎』の話をしてくださいました。

 

その映画では、なぜ桃太郎が桃の中にいたのか、どうして鬼が島のことを知ったのか、といった根本的な疑問から、大きな桃をどうやって家まで持ち帰ったのか、島へはどうやって行ったのか等々等々の小さな疑問まで、きっちり補足されているらしいのです。

 

そんなディテール、要りますか?! おとぎ話じゃなくなるし、野暮ってもんよ! とつい思ってしまう、こちとら江戸っ子受講生をよそに、中国語ネイティブのクラスメートは映画に興味津々の様子。いやさ、中国語に入れば中国語のルールに従わなければ……。

 

決意を新たにしたところで、本科2の通常の授業は最終回。授業末に配られた期末テストは、自宅で翻訳して締め切りまでにメールで提出します。

 

次回の授業はテストの解説。どんな恐ろしいことになりますやら、はぁ、幾つになってもテストはつらいよ…。

 

| 授業ルポ | 09:00 |
授業体験レポート:2017秋【英語編】第7回 「訛りに悩む」

 

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丸第13回目 英日授業

 

今回は復習教材を使って訳出する際、初めてペアワークをしました。同時通訳の仕事は通常複数名で行います。一緒に仕事をする通訳者と気持ちよく仕事をするため、タイムキープやメモ取り、ブース内での振る舞い等、通訳技能以外にも重要なことがあるそうです。普段はヘッドホンをつけて自分の訳だけに集中しているのですが、ペアワークは同時通訳ではよく行われる訓練法ということで、まだ逐次通訳訓練中の基礎科ですが、今回は二人一組になり交互に通訳練習をしました。

 

訳し終えたらマイクを上げ、自分の番になったらマイクを口元まで下げることなど、単純なことでも初めてなのでつい忘れてしまいそうでした。ペアワークではクラスメイトの訳出やメモ取りなどをすぐ隣で見ることで、違う緊張感がありました。

 

そして「企業の国際化」という本日の教材に移ります。ライブ教材なのですが、これまでにはなかったほど、訛りが強い!あまりに手ごわいので、今回は特別に音声を先にもらい、予習してくることになっていたのですが、皆さんかなり苦戦したようです。ニュージーランドの訛りでは?という声が多かったのですが、話者の出身地は正確には分かりませんでした。

 

通訳者が耳にするのは、アメリカやイギリスなどのいわゆる標準的英語だけではありません。IT関連の通訳にはインド英語はつきものと聞きますし、実際は英語を母語としない人たちの英語を訳すことの方が多いかもしれません。「訛りが強くて聞き取れませんでしたなんて、通訳者は決して言ってはいけません。」という講師の言葉に、うなずきながらも、「もう少し、分かりやすくしゃべってくれ〜!」と心の中で叫ぶのでした・・・。

 


丸第14回目 日英授業

 

単語テストは政治関連でした。政務官、事務次官、地方交付税などニュースでよく耳にする単語も英語がなかなか出てきません。大統領の一般教書演説など馴染みのある単語も、「ラッキー、覚えてる!」と思って書いたら定冠詞抜けや大文字になってないなど、思わぬ落とし穴(?)が。

 

単語テストの後は、復習訳出を一斉録音し、講師から一人ひとりにフィードバックが与えられました。「よくできたところを聞いていてほしい」とつい思ってしまいますが、現場では、初めから最後までお客様が聞いているわけで、「ここは難しかったらできなかったのよね」という言い訳は通りません(汗)。

 

初見教材は「日本とEUのEPA合意」でした。講師から出された本日の目標は「事実確認を確実にする!」。交渉が妥結してから発効までどれくらいかかる予定なのか、通訳者が事実を把握していないと、すでに発効したかのように誤訳する危険性があります。特に日本語は主語や時制があいまいなので要注意です。

 

今日も盛りだくさんで、授業後はゾンビのようでした(笑)。特に初見の不出来さにかなり落ち込んだのですが、授業後クラスメイトたちとランチに行って回復しました。

 

通訳者になるための訓練は、個人差はありますが、一般的に専門的訓練に数年かかる長い道のりです。その間、通訳学校に通い続ける人もいるし、仕事や家庭の事情で途中休んで復帰する人もいます。通訳学校で得られることの一つに、志の高い仲間に出会えることがあります。クラスメイトの頑張る姿に刺激を受けるだけでなく、モチベーションが上がらない時には個性豊かな仲間たちと励まし合える環境は大きな利点だと思います。

 

来週はとうとう期末試験!気合を入れてがんばります。

 

| 授業ルポ | 09:00 |
授業体験レポート:2017秋【中国語編】第7回 「ラブストーリーは、突然に...?」

 

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丸第13回 中日翻訳

 

授業は毎回2時間ですが、その合間に5分程度の休憩時間があります。クラスメートと情報交換をする貴重な機会になっているほか、職場や学校から駆けつける忙しい人の中には、この間に食事を済ませる猛者もいます。

今回の休憩時間には、講師の先生が上海旅行のお土産“大白兔”(昔からあるソフトキャンディの名前です)を配ってくださり、現地の楽しい話題で盛り上がりました。

 

しかし、授業に入ると和やかな雰囲気は一転、教室にはピリッとした緊張感が漂います。「前の授業を踏まえて訳しましたか?」という先生のお言葉に、思わず冷や汗が出ました。

 

前回(第11回)の課題も今回同様、テーマは旅行に関するもので、訳出する上での落とし穴を、前回の授業ですでに懇切丁寧に解説していただいていたのです。年をまたいで、また同じ落とし穴に落ちるとは…。

落ちた穴を再点検してみますと…。

 

中国語から日本語に直訳すると、なぜか短所めいて感じられる部分を補正する
 例:混雑していない→落ち着いている

 

・形式を整えるために加えられた修飾を外し、言いたいことを目立たせる
 例:港町神戸には西洋と日本の文化が融合し、西洋化された現代的な東京とは異なる風情が→港町神戸には西洋と日本の文化が融合し、現代的な東京とは異なる風情が

 

訳語の細かいニュアンスまで気を配る
 例:神戸での;のどかな時間[田園地帯っぽい]/のんびりした時間[都会らしくない]→ゆったりした時間[大人の余裕を感じる]

等々。

また、中国語によくある「行って切手買って貼って」式の時系列順の描写を、柔軟に表現する工夫も必要です。
 例:鉄板の余熱が終わったら、牛肉を鉄板の上に置いて調理し…→お肉を熱々に熱した鉄板にのせて焼き上げ…

ほんの小さな言葉もゆるがせにできないのは、日本語では暗黙の了解部分の情報がカットされ、全体の枠組みの定義を一語一語のイメージに負っているからでしょう。日中翻訳をしてみると、日本語ネイティブにもそのことが実感できるようです。

ということで、続けて日中翻訳のレポートもご覧いただきましょう。

 

 

丸第14回 日中翻訳

 

今回の中国語訳は、いつにもまして課題の日本語文が曖昧で、何について書かれた文章なのか、自力ではさっぱり解読できませんでした。不思議に思ったのは自分だけではなかったらしく、訳文の最後に「情報が足りなすぎて分からない」という感想を書いて提出した中国語ネイティブの受講生もいました。

しかし、そんな曖昧さこそ授業の狙いだったようで、講師の先生は、何について書かれたか分からない、すなわち「枠組みがつかみづらい」文章は日本語によくある、と涼しい顔でおっしゃいます。

例えば、歌のタイトル。
『ラブストーリーは突然に』と来れば、「始まる」のだと、みな了解しています。
テレビ番組のタイトルもそうです。
『世界の車窓から』を、サスペンスだとかホラーだとか思う人はまずいない。紀行番組だとすぐ分かります。それはなぜか。

 

「ラブストーリー」は恋の深まりを期待させ、「車窓」は風景を切り取るものという、言葉のイメージが共有されているからです。

 

講師の先生によれば、中国語と日本語の文章では、読者の設定からして違います。情報ゼロの人向けの中国語に対し、日本語は分かっている人向け。なぜ肝心なことを省く?! と中国語話者はフラストレーションが溜まるそうですが、日本語は大きな枠組みほど了解事項として省かれがち。文中の言葉をヒントに話の枠組みをつかむしかありません。

 

トイレの「備え付けのペーパー以外流さないでください」という注意書き、それって、他のものは流さないでお持ち帰りください、ってこと...?

 

「ひげ剃り後、ローションを手にとって叩いてください」って、まさか机を叩く・・・わけないですよね?

これらの文章を中国語訳する際には、順序を並べ替え、「ペーパーは備え付けのもの以外、流さないでください」としたり、情報を足して「ローションを5gほど手に取って、ひげ剃り後の部位に叩くようにつけてください」とするなど、日本語の編集作業が不可欠です。

 

そもそも、文章から情報が抜けているということ自体、日本語ネイティブには気づきづらいのですが、そこは修行を積んで補うしかなさそうです。

 

ラブストーリーは突然に「終了」ですか? と思われたら、イヤですものね...。

 

 

| 授業ルポ | 09:00 |
授業体験レポート:2017秋【英語編】第6回 「メモ取りとひらめき」

 

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新年明けましておめでとうございます。
10月に始まった秋学期ですが、年が明けるともうカウントダウンが始まった雰囲気です。
学期終了まで残り2か月、健康管理に気を付けながら乗り切ります!

 

丸第11回目 英日授業 

 

いつものように単語テスト、復習教材の訳出録音、初見教材の順で進みました。お正月気分もどこへやら、一気に現実の世界に引き戻されました(笑)。

 

冒頭で講師から、リスニングとメモ取りに関して有益なアドバイスがありました。基礎科のレベルからもう一段リスニング力を高めるため、メモの取り方について発想の転換が必要とのことでした。これまでのように、メモばかりに集中し目に依存していては、まず日本語の語順に変換してから理解するという方法になりがちだそうです。昨今は社会全体の英語のレベルも上がってきており、リスニングの要求度も高くなってきているようです。メモを取らない!くらいの自覚をもって、英語をそのまま理解するリスニング力をつけていく必要があるとのことでした。

 

今回の初見教材は「マレーシア カントリーレポート」です。マレーシアについての基本的な国情報が出てくるのですが、数字も盛りだくさんです。国土面積、人口、宗教、GDP、主要産物、日本との2国間関係の歴史などが出てきました。数字のコツは入門科で丁寧に教えてもらったのですが、しばらくやらないとすぐに数字が聞き取れなくなることを痛感しました。

 

事前準備のためマレーシアの国情報を調べてみたのですが、とても魅力的な国で、子どもがもう少し大きくなったらぜひ家族旅行で訪れてみたいと思いました。通訳学校で得られることは通訳技能だけでなく、自分ではなかなか掘り下げて学ぶことがない分野の教材を扱うことで知的好奇心が刺激され、世界が広がることも大きな利点です。

 


丸第12回目 日英授業

 

日英でもカントリーレポートが初見教材でしたが、こちらは南米のチリ共和国。実は全然馴染みのない国で、最近スーパーなどでもよく見かける、安くて美味しいと評判のワインくらいしか知りません。

 

講師から事前準備の項目を詳細に伝えられていたので、手始めに外務省やJETROのホームページで基本情報を入手しました。ガイドブックを購入したクラスメイトもいて、皆それぞれ工夫して地理、歴史、政治、貿易などの情報収集をしていました。あ、チリワインをしっかり試した方もいました(笑)。

 

講師から提示された目標は、「日本語を聞きながら訳語をひらめかせる!」。つまり、一区切りまで聞いてから訳を考えるのでなく、聞いている時にすでに訳を思い浮かべるということです。これは、まだ同時通訳訓練を受けていない基礎科にとってはなかなか難しいですが、反応を早くすることは越えなくてはいけないハードルだと思います。

 

これまで、日英、英日両方の授業で言われてきたことですが、何よりも「表層的な言葉の切り貼りでなく、話し手が何を伝えたいのかを確実に訳す」ことが大前提です。その上で、反応を早めるということになると・・・ 癖垢ながら)ふむふむ、そうだよね、なるほど(話し手の気持ちを汲み取る)◆癖垢ながら)瞬時に訳を思い浮かべる、という二つのことを同時にやるということですね。できない私からするとまさに神業。道はかなり長そうですが、この2つの課題を自宅学習方法でも工夫してみようと思います。

 

それでは、また次回お会いしましょう!

 

        

| 授業ルポ | 10:00 |
授業体験レポート:2017秋【中国語編】第6回 「君の名は。(まだない)」

 

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毎週金曜更新、英語・中国語を交互にお届けします。それでは、中国語の授業ルポ第6回をお楽しみください。

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新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします…と、あっさりした日本式の挨拶と違って、ご利益がありそうな言葉を連ねるのが中国風。

 

“新年快乐”(楽しい新年でありますように)、“恭喜发财”(もうかりますように)、“万事如意”(何事も順調でありますように)の定番から、“愿你2018发发发!”(2018年には大金運に恵まれますように)[“18”shibaと“实发”shifa=本当にもうかるのシャレ]、“祝大家2018年旺旺旺!”(2018年にはますますご盛栄のほど)[wangとワン(犬の鳴き声)のシャレ]の本年限定版まで、あったらいいな、を思いつく限り並べるそうです。

 

中国のお正月(“春节”)は旧暦でお祝いするので、2018年は2月16日とのこと。“全家平安”“身体健康”で迎えたいものですね。
ということで、今回の授業レポートは年末年始またぎでお届けいたします。

 

丸第11回 中日翻訳


旧年最後の授業は、記事・広告文の訳でした。

 

訳例のプリントにはテーマとして、「いろいろな日本語に訳す」が挙げられ、
・使用目的を確認すること
・簡潔でわかりやすく、柔軟な表現を目指す
・いろいろな文章を書けるように日頃から様々な文章に目を通す
と注意事項がまとめられています。

 

そういえば課題が配られた際、「自由旅行で来日する中国人女性向けに、機内誌用記事の日本語訳」を、と先生からご説明いただきましたっけ。気をつけたつもりでも、自分の訳文は雑誌記事という点に気を取られ、分かりにくいカタカナ語を多用するなど、読み手への配慮が全く欠けていました。

 

先生の訳例を拝見すると、小見出しは体言止めを使い女性誌風に、本文もそのまま雑誌の記事として載せられそうなオシャレな雰囲気なのに、きちんと外国人にも分かりやすい日本語に仕上がっています。

 

「関西の冬の旅」へと誘う短い記事ではありますが、情報提供も兼ねているため、「食いだおれ」など訳語の表記を公的な資料でチェックするのはもちろん、原文の数字や地名など、事実関係をきちんと確かめる配慮も欠かせません。

 

また、「金魚売りの出店」と「金魚を売る露店」、「華やかな街路」と「典雅な小道」など、訳語の微妙な違いでイメージがだいぶ変わること、「ふぐ」「カニ」はひらがなカタカナの表記1つで高級感に差が出ることも、面白い発見でした。

確かに、『わがはいはネコである』じゃ、ライトノベルみたいで漱石先生に叩き出されそうですよね…。

 

 

丸第12回 日中翻訳

新年最初の授業は、「造語」を運用した説明文の解説でした。

 

日中翻訳では、文章のほかに単語単位の「造語」という課題が出されることがあります。新語や流行語ではなく、「フライパン」「脚立」といった日常語を中国語に訳すのです。

 

辞書に訳語があるのに、なぜそんな練習が必要なのか―と、先生に質問した受講生もいました。先生の答えは、発想力を養うためと文章のカスタマイズ力をつけるため、というものでした。

 

実はこの授業に出るまで全然意識していなかったのですが、中国語の名詞はフリーダムそのもので、相手に伝わりさえすれば何でもアリなのです。

 

北京のファーストフード店でバイト泣かせなのは、中国全土から来るお客さんがメニュー通りに注文しないことだといいます。平気で“来一份火把儿”(「たいまつ」一個ください)とオーダーするんだとか(何だか分かりますか?ソフトクリームのことなんですって)。

 

それは単に方言なのでは?と思ったら、書き言葉でもフリーダムっぷりは遺憾なく発揮されるようで、フライパン1つ取っても、“平底锅”“浅底锅”“煎锅”(焼くのに使う鍋)、 “长柄锅”(持ち手が長い鍋)、“单柄锅”(持ち手が1つの鍋)等々、いくらでも言い方があるし、自分で造語しても良いそうです。

 

フリーダム過ぎて不便な気もするのですが、ここには別の縛りがあります。つまり、名詞、特に“刷子”(ブラシ)のような基本形の語はニュートラルな状態であって、文章の中で使うときは、“毛刷”(材料を強調)、“玻璃刷”(用途[ガラス用]を強調)など、伝えたい内容に合わせて変化させる必要があるというものです。

 

ですから、今回の課題文のように「はしご状」と「脚立状」が同一文中に出現したら、“直梯”“马梯”のように、字数や構成が揃う訳語を探すか、自分でひねり出さねばなりません。

 

ありものを使う場合も注意が必要です。割り箸は“卫生筷”(衛生的な箸)、“一次性筷子”(使い捨ての箸)、“免洗筷”(洗わなくていい箸)など様々な言い方ができます。しかし、「森林破壊を防ぐため、間伐材を使った割り箸です」という文脈に、“一次性筷子”はふさわしくありません。この場合は“卫生筷”など別の言い方を選ぶべきでしょう。

 

場面に合わせて名前を変えるということは、「君の名は?」の答えはやはり、「好きだ」が正解なのかも……お屠蘇気分が抜けきっていないレポート、失礼いたしました!

| 授業ルポ | 10:00 |
授業体験レポート:2017秋【英語編】第5回 「spirit of resilience」

 

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丸第9回目 英日授業 

 

全18回の基礎科クラスも中間試験を終え、折り返し地点に来ました。ただでさえ世の中は師走の忙しさですが、加えて授業の復習や準備がてんこ盛りで、一週間が本当にあっという間です。半ば受験生のような生活ですが、いつの日か、スクールで学んだ時期は充実した時間だったと思い返すことができるでしょう(笑)。

 

中間テスト後、初めての授業だったので、講師から総評を聞いた後、出題された日本語訳の確認をしました。「復習は正しい訳語を覚えるチャンス」「初見対策にもっと時間を割く」「訳出訓練の絶対量を増やす」「話者の立場までおもんばかって話す」。講師からの指摘で特に心に留めておこうと思ったこの4点は、期末に向けての勉強に生かしていきたいです。

 

試験の振り返りの後、気落ちしている暇もなく、今回の授業の初見テーマUS−China Cooperation(米中協力)に移ります。あまりに幅広いテーマなので、事前準備でどの分野を掘り下げるか迷いましたが、ふたを開けてみると、手ごわい経済分野。金融関係者は話すのが早いというイメージ(?)があるのですが、今回のライブ音声はとにかく早い!!

 

経済協力がスピーチの主な内容だったので、clearing bank (決済銀行)、certificate of deposit in Chinese currency(人民元建て譲渡性預金証書)、interbank bond market(銀行間の債券市場)など、金融の専門用語が連発される箇所は、背景知識なしにはかなり難しいと感じました。逆に言うと、馴染みのある分野はリスニングの負荷がぐっと下がるので、少しずつ専門性を広げる努力をしていこうと思います。

 


丸第10回目 日英授業

 

日英も試験の個人評価表が手渡される日。落ち込んでも立ち上がるresilienceが必要な日でもあります。(ショックでぼーっとしていたら、授業でおいていかれる。笑)いつものように単語テストをした後、試験内容の確認をしました。家で自分の訳出を聞いて自己評価を書いてきたので、講師からの指摘とアドバイスに深く納得します。

 

その後、初見教材「核兵器禁止条約」を使って逐次通訳をしました。講師から出された今日の目標は、high context culture(高文脈文化)の日本語から、必要なことは言葉にするlow context cultureである英語に訳す際、省略されている情報をうまく処理することです。言葉に表現されていない情報を文脈の中で相手に汲み取ってもらうのが日本語ですが、これを直接切り貼りしただけの英訳にすると、リスナーにとって「?」となるのです。

 

例えば、
「その背景ですが、一向に核軍縮を進めないアメリカやロシアに対する苛立ちがあると思います。核の抑止、恐怖の均衡という20世紀型の安全保障の限界を示したことに歴史的な意味はあるのだろうと思います。」

 

核兵器禁止条約が制定された過程についてのコメンテーターの意見ですが、日本語では理解できても英語に訳する際、見えない主語を正確に訳さないと意味があいまいになってしまう典型です。1文目は非核保有国が持つ苛立ちですが、2文目の隠れた主語は条約です。

I think there is a historic significance in that it (the treaty) demonstrated the limits to the 20 century type of security regime grounded on…となります。

 

主語がはっきりしない時、私はつい安易にweやtheyとしてしまう癖があるので、処理の工夫も今後の課題になりそうです。

 

 

| 授業ルポ | 10:00 |
授業体験レポート:2017秋【中国語編】第5回 「イヤな予感がする・・・!」

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丸第9回 中日翻訳

 

今回の中日翻訳のテーマは「日本語を使いこなす」でした。が…。

 

課題文が手書きだったので、「使いこなす」よりも、いや、「日本語に訳す」よりも前に、原文の中国語に何が書いてあるのか「解読」するのに手こずりました。字が下手なわけではないのですがギッシリ詰まっていて、日ごろワープロ打ちの文字を見慣れているせいか、とても読みにくく感じました。

 

しかし、このギッシリ感には理由があります。課題文は「就学理由書」という、日本留学の許可を申請する書類であり、押し合いへし合い書かれた文字には申請者の必死の思いが籠もっていたのでした。

 

審査官が中国語を解したとしても、基本的には訳文を見るでしょうから、その良し悪しが申請者の一生を左右するかも知れません。広告文や説明書の課題にもまして、翻訳者の責任を強く意識させられました。

読み手と目的がハッキリしている文章ですから、これまで何度も授業で言われてきた通り、原文のニュアンスを汲み取った上で、どのような表現が好印象を与えるのかということも考える必要があります。

 

たとえば、中国語ネイティブは自分の長所を堂々とPRしますが、日本人審査官向けに少しマイルドな表現へと工夫する、力が入って重複しているところは上手くまとめ、起承転結を意識しつつ、段落の最後が盛り上がるような順序に訳す、等々…。

 

講師の先生によると、学校単位で申請書の翻訳を引き受けることもあり、そうなると似たような訳文が何十枚も出来上がってしまうため、よくある表現には何通りもの訳し方を用意していらっしゃるのだそうです。

 

審査官もコピペ申請書を読むのはイヤなはず。そこまで気を遣えてこそ、プロを名乗る資格があるということですね。

 

 

丸第10回 日中翻訳         

 

今週は、訳読と翻訳の違いから話が始まりました。

 

その昔、外国語の学習には「訳読」が付き物でした。この文を日本語に訳しなさい、というような問題が必ずテストに出たものです。

 

そのときの訳文は、自分がどこまで知っているかを示すもの。でも、翻訳文は相手あってのものなので、また別の配慮が必要です。

 

これまでの授業でもあったように、日本語と中国語はそもそもの発想がかなり違っており、日本語がポイント・ポイントに着目するのに対して、中国語は出来事が起こった順に並べないといけません。

 

今回は交通事故を伝える新聞記事の訳でしたが、指摘されてみると確かに、日本文の情報は飛び飛びです。

 

被害者2人のうち、片方は年齢職業住所まで書かれ、片方は〇歳くらい、で終わっていたり、トラックが「走行中」に信号機に衝突したとは書いてありますが、交差点を曲がったとき起きた事故のはずなのに、それは全然書かれていなかったり。中国語はこれらの欠落した情報をきちんと補わないと文として変だし、読み手に伝わりません。

 

訳語も文全体を考えて選ぶ必要があります。被害者の女性は 女性” “女子” “女人” のどれで訳すことも可能ですが、文全体の意味から、選べる言葉は限られるのだそうです。

 

先生曰く「じゃ『鶴の恩返し』で現れた女の子は何て訳す?“小姐”ならヴィトンを下げてるみたいだし、“女性”は現代女性を指すからダメ。“女人” だと色目で見てるみたい。ここは無色透明な“女子”がいいですね。“女郎”ならどうだろう。機を織るのは、与ひょうの方になっちゃうかも。最後は与ひょうが追い出されちゃったりして」

 

やれやれ、一語決めるのにも、お話全体を把握しなくちゃいけないとは…。日本文が点なら中国文は線、シャーロック・ホームズの次は松本清張か、とタメ息をついていると、授業の終わりに課題ではない紙が配られました。中間フィードバックです。

 

学期の折り返し地点で、中日・日中両方の講師から一人ひとりに対して、前半のパフォーマンスに対する講評がいただけます。今期の目標をどのくらい達成できたかが評価されるのですが、イヤな予感通り、原文の読みが浅い点をズバリご指摘いただき、ぐうの音も出ませんでした…。

 

後半巻き返すには、奇跡のパワーが必要かも。それでは皆様ご一緒に。

来る年も、フォースが共にあらんことを!

 

 

 

 

 

 

 

| 授業ルポ | 10:00 |
授業体験レポート:2017秋【英語編】第4回 「中間テスト!」

スクールブログで人気の連載、レギュラーコースの授業ルポ。この秋、13シーズンめを迎えました!

2017年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!

ISSの教室では実際にどのような授業が行われているのでしょうか?

毎週金曜更新、英語・中国語を交互にお届けします。それでは、英語の授業ルポ第4回をお楽しみください。

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丸第7回目 英日授業 「中間テスト」

 

ついに来ました!緊張の中間テスト。

英日の試験は、|姥譽謄好函↓復習教材の逐次通訳、初見教材の逐次通訳、の順で進みました。

 

試験の日にもいつも通り単語テストがあるので、負荷がぐっと上がります(これが地味に辛い・・・)。また、復習教材からの出題は、これまでの教材すべてが範囲となります。トレンドの単語を頭に叩き込みつつ、試験対策としてこれまで授業で扱った教材すべてを見直し、さらに初見用のタイトルから出題されそうな内容を推測し、下調べをします。

 

復習教材のテストは、メモを取らないで原則2〜3行の文章を一文ずつで区切り訳出します。事前に論旨の流れや、適切な訳語など、講師から評価基準についての説明がありました。復習教材なので、当然ながら評価も厳しくなるため、以前の訳やデリバリーを改善してより質の高いパフォーマンスにしていくことがカギになります。

 

事前に告知があった初見テストの題材、”Global Competence”というキーワードから、私は主にインターネットで下調べをしました。恥ずかしながら、「グローバルコンピテンスって何?」というところからスタート。背景知識を調べながら、関連語句の対訳表を作り試験に臨みました。

 

試験最大の山場はもちろん初見での逐次通訳!こちらは一度全体を通して聞き、次に逐次通訳本番です。

メモを取ることはできますが、メモにばかり気を取られていると論旨を見失うので要注意。語彙や構文も高度で、頭をフル回転させたため、試験終了後はどっと疲れてしまいました。

クラスメイトたちとねぎらいの言葉を掛け合いながらの帰宅となりました。

 


丸第8回目 日英授業「中間テスト」

 

今週は日英の中間テストでした。こちらも英日同様、|姥譽謄好函↓復習教材の逐次通訳、初見、の順です。

違う点は、初見が2題出題されることです。一つ目はLL機材を各自で操作し、出題音声を何度か聞きなおしたり、訳語を考える時間が20分間与えられた後に逐次通訳に入りますが、二つ目は準備時間なしで全くの初見、一発勝負というものです。

 

日英の初見テーマも事前に知らされます。「日米原子力協定」と「AIと雇用」についてでした。AIの方はメディアでもよく取り上げられているので、いくらか馴染みがあったのですが、原子力協定は、ゼロから知識を仕入れる状態でした。

先週の試験同様、単語や復習教材で手一杯になり、気づけば初見対策の時間が足りない!とう状態でした(汗)。限られた時間で、準備にかける労力や時間配分を工夫していくことは、今後も重要なスキルになりそうです。

 

通訳学校の教材は、質の高い内容の様々なテーマが扱われていて、一般常識も怪しい私にはかなりハードルが高いです。でも、最近はニュースを見ていて、「あ、これ知ってる!」という嬉しい瞬間も増えてきました。地道に知識の蓄積をしていこうと思います。

 

録音した自分の訳出はUSBメモリーにコピーされるので、試験後自宅で聞いて、原文理解、訳の正確性、デリバリーなどの項目に沿って、次回までに自己評価を書いてきます。自分の訳を聞くのはなかなか苦痛ですが、客観的な分析なくして進歩なし。はい、やります。

 

受講生のみなさん、お疲れさまでした〜。

 

 

 

| 授業ルポ | 10:00 |
授業体験レポート:2017秋【中国語編】第4回 「基本だよ、ワトソン君!」

 

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2017年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!

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丸第7回 中日翻訳

 

今回の中日翻訳のテーマは「様々な文体の訳し分け」でした。

 

出された課題は短文でしたが、まずは先生の訳例にビックリ。1つの原文に複数の訳がついています。確かに課題文は、企業紹介や宣伝文など、解釈1つでいろいろな訳が可能なものでした。

 

初回の授業ですでに指摘を受けていたのですが、たとえば“我喜歓狗。”という同じ文でもシチュエーションや目的によって、「私は犬が好きです」「ワンちゃんが好き」「あたしイヌ派」等々、訳し分ける必要があります。

 

さらに大事なことは、1行だけを見るのではなく、訳文全体の文体や方向性を統一すること。先生はいつもおっしゃるのですが、洋服と同じように、文章もTPOやコーディネートを意識しなければなりません。カジュアルなら全身カジュアル、エレガントなら全身エレガント。シャネルスーツに地下足袋では、いったい何に変装するつもりか分かりません。

 

全体を見ずにちまちまと中国語から日本語への移し替え作業を進めると、何の目的で誰に向けて書いたのか判別不能な怪文書が出来上がってしまいます。

 

そしてもちろん、原文あっての翻訳ですから、遣われている言葉を手掛かりに、原文が伝えたかった内容を的確にあぶり出さなければなりません。

 

…ということは良く分かっているはずなのですが、実際に翻訳していると、自分の思い込みや言葉遣いのおかしなところには気づきにくいものです。一般向けの文章に専門用語を使ってしまったり、イメージ重視の宣伝文に注をつけてしまったり…。

 

洋服なら鏡を見ればいいのですが、文章だとそうもいかないので、自分やクラスメートへの添削指導や解説を参考にできるのは本当にありがたいです。

 

丸第8回 中日翻訳

 

原文が何を言いたいかをつかむ、というのは日本語から中国語に翻訳するときも大切ですが、原文が日本語の場合、考察というより「推理」(下手をすると「判じ物」)の次元に突入していると思うことがしばしばあります。

 

今回の課題文では靴に関する話題が扱われていましたが、先生の最初の質問は、ここでの靴は女性用か、男性用か、でした。そんなこと、原文のどこにも書いていないんですけど……と困惑する日本語ネイティブ受講生をよそに、中国語ネイティブのクラスメートは的確にこたえることができました。

 

決め手は文中に使われている、「お気に入り」「大キライ」といった言葉。なるほど、男性向けなら、もう少し違った表現になるでしょうね。

 

「靴ベラを使うなど、丁寧に履くことも長持ちのコツ」の「こと」はイコール「習慣」だ、といった隠れた情報を探しだすのは、一読、原文に特に疑問を感じない日本語ネイティブにとっては難しい作業です。

 

他にも、たとえば日本語には「こんにゃくは太らない」のように、頭としっぽがあって胴体のない、ホラーな文型があります。この手の文を「こんにゃく文」と呼び、本来なら「こんにゃくは(カロリーが低いから食べても)太らない」とすべきところ、( )の中が省略されているのだそうです。

 

そもそも、「こんにゃく文」を最初に見たとき、省略されている箇所があるということすら気づかなかった私ですが、いまだ胴体探しに四苦八苦しているようでは、名探偵どころかワトソン君への道もまだまだ遠いようです。もっと観察眼と推理力を磨かなければ…。

| 授業ルポ | 09:05 |
授業体験レポート:2017秋【英語編】第3回 「言葉へのこだわりと話者への敬意」

 

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2017年秋期では、英語通訳クラスと中国語翻訳クラスから、それぞれレポートしていただきます。今学期の終わりまで、どうぞお付き合いください!

ISSの教室では実際にどのような授業が行われているのでしょうか?

毎週金曜更新、英語・中国語を交互にお届けします。それでは、英語の授業ルポ第3回をお楽しみください。

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丸第5回目 英日授業

 

いつものように、|姥譽謄好函↓復習してきた前回教材の訳出録音、この日の初見教材の訳出、の順で進められました。

 

初見教材は “イエメンの紛争について” 。前回まではネイティブが教材用に読み上げた音声を使って訓練していましたが、今回からライブになり、演説など生の素材が使われます。その分、スピードも速く、臨場感があり、音源も少々聞きづらくなります。入門科ではライブ素材はなかったので、なかなか手ごわいです。

 

初めに、内容理解だけを目的にメモ取なしで通して聞きます。その後、各自手元のLL機材を操作してヘッドフォンから聞きなおし、知らない単語は訳語を調べるなど準備する時間が与えられました。

 

イエメンでの紛争がテーマなので、deprivation, food security, famine, preventable disease, poverty, basic necessities, humanitarians 等々、関連単語が満載です。ひたすら音源に集中し、聞き取れないところは何度も聞き直し、とにかく必死。あっという間にタイムアウトでした(汗)

 

訳出する際、講師がよく口にするのが、「自分の訳出に商品価値があるか」を意識すること。単なる言葉の切り貼りではなく、正確かつ自然に耳に入ってくる日本語になっているかということです。講師の言葉へのこだわりは受講生にとって厳しいものですが、基礎固めの時期に身につけておくべき姿勢なのでしょう。「今の訳は、大学生の訳としては良いが、プロ通訳者として聴衆に聞かせられるものかどうか」という言葉に正直、私の訳にお金を払う人はいないだろうなと思ったのでした・・・。

 


丸第6回 日英授業

 

日英の授業も同じく紛争地での人道支援関係に関する教材ですが、こちらはイラクでの医療支援がテーマでした。事前に配られていた参考資料を基に、重要だと思われる単語の日英対訳表を作っておきました。授業中は参考資料を広げる時間も余裕もないので、A4一枚の対訳表だけが頼りです。事前準備もなかなか時間がかかりますが、しっかり準備をしてこないと話者のメッセージを正しく理解することができず、思うようなパフォーマンスができないので、できるだけ背景知識は頭にいれておきます。(それでも全然足りませんでしたが・・・)


今回の教材は、イラクで赤十字国際委員会の医療活動に参加した日本人医師たちが、帰国報告をしているライブ音声です。日→日のコンテクストシャドーイング(※) をした後、逐次通訳に入ります。化学兵器とみられる爆弾で負傷した家族の治療経緯が中心です。事前にYouTubeで観た映像には負傷して泣き叫ぶ子供の姿もあり、子を持つ親として心が痛くなりました。

 

授業の目標は、「話者が一番伝えたい情報=要点」をつかむことであり、 そしてそれをきちんと訳すことが、「話者に対する通訳者の敬意」という講師の言葉に身が引き締まりました。つい、自分の訳はどう評価されるだろうか・・・と、自分にばかり焦点を当てがちですが、どれだけ話者の思いを正確に伝えられるかが問われるのですね。

 

そして、来週はついに中間試験です(汗)。
かなり緊張しますが、クラスメイトたちと励ましあいながら頑張ります!


※) 全体の話の流れ(コンテクスト)をしっかりつかむことを意識して音を追いかけること

 

 

 

| 授業ルポ | 09:00 |

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『柴原先生のワンランクアップの英語表現』
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